機械式時計、手巻き式と自動巻きの根本的な違いについて。

いつも正美堂時計店(ショウビドウ)をご覧いただき 誠にありがとうございます。
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ウォッチバイヤー 専務こと合田圭四郎です。
Thank you for watching.

今週の時計に関する日曜日勉強会は

機械式時計、手巻き式と自動巻きの根本的な違いについて。

今回の動画では「手巻き」と「自動巻き」、こちらの違いについてお話をしていきたいと思います。
今まで当たり前のように「自動巻きと手巻きは違う」とは言ってたんですけれども、一体どういった所が違うのでしょうか。

今回もリクエストを頂戴しております。
がみちゃん様、ありがとうございます。

先日贈答用ですが、セイコー懐中時計
注文させてもらいました、
ありがとうございます。
さて、質問です。

過去の動画で機械式自動巻き時計は
なるべくネジを巻かずに腕に付けて
巻く方がいい
(ジリジリ音がするのは良くない)
と言って見えましたが、手巻き時計も
巻くとジリジリ音がしますが、なぜ手巻きはよくて自動巻きは
ダメなんでしょうか?
基本的に同じではないのですか?
よろしくお願いいたします!

こちらも後ほど回答申し上げます。
あともうひと方、会津大天友様、ありがとうございます。

こんにちは。いつも楽しく拝見させていただいております。
先日、正美堂さんから憧れの19セイコーを購入させていただきました。
50年以上前に実際に国鉄で使われていた
歴史ある時計を購入することができ感無量です。
この時計は手巻き式で朝一杯まで
巻き上げれば翌日まで
止まることなく動きますが、
夕方になるとまたなんとなく巻たくなってしまいます。
1日に何回も巻くと内部の機械に
あまり良くないのでしょうか?
それとも特に問題はないのでしょうか?
教えていただければ幸いです。

PS…
一緒に注文した高知杉の
時計スタンド木の香りがしてとても良いですね。
「syohbido」の刻印も焼き印なのかと
思っていましたが、レザー加工されていて
とても美しく感動しました。
購入者第1号だったとの事。
とても光栄です。大切にします!

自動巻きと手巻きの違い

それでは、手巻きと自動巻きの違いなんですけれども、
手巻きと自動巻きは、同じ機械式とひとくくりに話されてしまいます。

それはもう終わっている話で、機械式時計というのはゼンマイをまいて収縮して広がる力、これを動力にしています。
手巻きにしろ自動巻きにしろこれは同じ話で、これが機械式の前提となります。

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違いとしては、まず手巻き式の場合は(8日巻きとかもあるんで毎日ではないものもありますけれども)、基本的にはオーナーが毎日自身の手で巻いていただく必要があるいうことですね。

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自動巻きの場合は、着用しているだけで自動的にゼンマイを巻いてくれます。
つまりある程度フリーということですね。

手巻きのメリット・デメリット

手巻きの方のメリットなんですけれども、「毎日のルーチンワークとして巻く楽しみとなる」。
毎日絶対にゼンマイを巻いてあげないといずれ止まってしまいますので、それを巻くのがストレスではなく楽しみになってくるというのがいいところです。

デメリットとして、先ほど逆で、「巻き忘れると止まってしまう」です。
やはり満2日、スイス製懐中時計の王道ムーブメントである「ユニタス」で約38時間と言われています。
つまり満2日は持たないということなんですね。
なので1日1回は巻いてあげる必要があるということなんです。

止まってしまうデメリットとしては、止まる度に再度時刻を調整する必要があるということですが、こちらは自動巻きも同じことになります。

手巻き式というのは適度に巻くことによってゼンマイが縮まる、そしてほどける、
ある程度同じように縮んで広がるという動作を繰り返すことで時計の良い状態を維持します。

なぜ巻き上げは1日1回がいいのか

巻き上げは1日1回という風に実際店舗でお話しする方とか、この動画でも説明させていただいているんですけども、なぜ1日1回がいいのか?
こちらなんですけれども、何回も巻くことももちろんできるんです。

チョロQに例えて言いますと、
チョロQの場合は一度引いてガリっというまで巻いた状態(満タン)が一番速い、時計で例えるならばそれが一番良い状態なんですが、
それをある程度解放してあげる必要があるんです。

解放して、またゼンマイが緩んだところで巻く。
これは、ちょっと走ったらすぐ止めてまた巻いてすぐ止めて、とやっていると、ずっと収縮した状態を維持してしまうので、負荷がかかってしまうわけなんです。

なのでいずれ壊れる原因になりかねないので、できる限り「適度に緩んで適度に縮める」、これを繰り返しいただきたいということから1日1回という風に説明をさせていただきます。
手巻き式時計は巻きたくなる気持ちは勿論わかりますが、できるだけ1日1回だけ巻くようにしてあげてください。

それほど愛着を持って使っていただいているということなので、長く使うためにも1日1回で終わらせてあげましょう。

自動巻きのメリット・デメリット

次に自動巻きなんですけれども、一番の特徴としては着用しているだけで自動的に巻かれるというところです。
メリットとしてはゼンマイの巻き状態を気にする必要がなく、ストレスが少ないという点になります。
止まっている状態から動かす場合は、若干竜頭を巻いてあげて動かす必要があります。

自動巻きのデメリットとしては、コレクションが増えてくるとゼンマイの維持が難しいというところになります。

自動巻きはあくまでも毎日使うことを前提にしていますから、毎日着用していると止まることもなく本当に便利に使えるわけなんですけれども、
いくつかコレクションが増えてきて、例えば自動巻きを5本持っていたとしましょう。
日替わりに使っていると、いずれどれかの時計が止まってしまいます。

なので時計というのはある程度巻きを維持する必要が出てくるんですけど、
こういったときに止まるデメリットを防ぐためにはワインダーを使うのも一つの手段として説明させていただいています。

ワインディングマシーンを買う必要が出てきますので、そちらをお好みで決めていただく必要があるんですけれども、そうでい場合は適度に巻いてあげる必要があります。

ただし、これは後ほどお見せしますけれども、巻くにもリスクがあるということをお話ししたいと思います。

手動で巻くと、自動巻きの場合は金属が擦れる音がするんですね。それは何なのか?
これが先ほどお問い合わせてもありました、両方音がするということに繋がってくるんですけれども、そこは実物をお見せながらお話をしたいと思います。

今まで話した上で、今から時計を買う方、自動巻きか手巻きか、からどちらか迷っていうというのはですね、歴史的には手巻きの方が長いです。
手巻きから始まり自動巻きが誕生しているので、ルーツとしては手巻きになるということを覚えておくといいと思うんですが、どちらの使い勝手がいいかというのを考えた上で選ばれることをおすすめします。

見た目だけで選んでしまうと後々少し後悔してしまうことにつながりかねないので、実際にどちらの方が利点があるのか、先ほど言いましたメリット・デメリットを考えながらご自身のコレクションが多い方なんかは手巻きも一つの選択肢で十分アリかなーと思っているんですけれども、そういったところを参考にしていただければと思います。

手巻きと自動巻き・ゼンマイの巻き方の違い

それでは、巻き方の違いについて実物を見せしながらお話をしていきたいと思います。

レイモンドウェイル(RAYMOND WEIL)腕時計検索

1976年スイスジュネーブで誕生したレイモンドウェイル(RAYMOND WEIL)腕時計。スイスの高級腕時計業界では数少ない独立企業のブランドです。/正美堂時計店 088-824-3367

こちらに時計を2本用意しました。
まず1つは「RAYMOND WEIL(レイモンドウェィル)」のマニュファクチュール自動巻きムーブメントのスケルトンです。
こちらと、「EPOS(エポス)」2090を用意しました。

時計の情報につきましては概要欄にも載せておりますので、こちらを是非ご覧ください。

レイモンドウェイル(RAYMOND WEIL)腕時計検索

1976年スイスジュネーブで誕生したレイモンドウェイル(RAYMOND WEIL)腕時計。スイスの高級腕時計業界では数少ない独立企業のブランドです。/正美堂時計店 088-824-3367

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スイスブランド「エポス(EPOS)」機械式懐中時計。末永く懐中時計を愛用したい方におすすめです。/正美堂時計店 088-824-3367

こちら、手巻きと自動巻きの違いなんですけれども、今は両方止まっている状態です。
せっかくなので動かしてみましょう。

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手巻きの場合はもちろん手で巻く必要がありますので、竜頭を掴んで回していきます。
このように竜頭を巻くとテンプが忙しそうに動き出して、時計が動き始めます。

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先ほど言いました、手巻き式を巻くときに音が聞こえるわけなんですけれども、この音が何かと言いますと、「こはぜ」という部品がここにあるんですけれども、
歯車の下に実は収縮した状態のゼンマイが入っているわけなんですが、巻くほどに縮んでいきます。

ゼンマイには解けようとする力が働くわけなんですけれども、解けないようにこのこはぜがストップをかけています。
カチカチと鳴っているのは、このこはぜを通っているためです。
その音がこの手巻きを巻く音に繋がっているんですね。

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お次の自動巻き。
こちらがゼンマイになります。
巻くほどに縮んでいきます。

もちろん自動巻きなので裏面にはローターが付いております。
最初に竜頭を少し回してやると、ゼンマイが縮んでいっているのがわかるかと思います。
ある程度巻くと、手巻きと同じようにテンプが動き始めます。

動き始めた自動巻きというのは、後はもう、着用することで内部のローターが重力に反応していた巻き上げてくれるという仕組みになっています。

ちなみにこちらは両巻きなので動きは少ないですが、片巻きと言いまして、片方には空回り、片方にゼンマイを巻くという構造もありますから、その場合は一方に動いて、反動の力でゼンマイを巻きます。
こちらはどちらに回してもゼンマイを巻き上げてくれるという仕組みになっております。

ちなみに先ほど言いました自動巻きの場合、巻くと「シャリシャリ」と金属同士が擦れる音がするわけなんですが、それは「切り替え車」が擦れて当たっている音です。

手巻きと違うのは、自動巻きの場合、振動で基本的にはゼンマイを巻いてくれるものですから、巻くのはある程度そこそこ動き始めるまでいいです。
動き始めたら着用してあとはもうローターでも開いてあげましょうというのが手巻きと自動巻きの根本的な違いと思います。

やはり金属同士がこすれているということは、あんまり手でばかり巻いているといずれ部品が摩耗してしまうということを表していますので、それで自動巻きの時計は手で巻くことをあまりお勧めしないという理由なんです。

もし自動巻の時計のコレクションが増えてきたなと思った場合は、手巻きに切り替えてみるのもひとつの手段かもしれません。
なので、同じく音が鳴るにしてもそういった違いがあります。

ちなみに1回満タンに巻いただけで壊れるわけではないので、一度ゼンマイを手で巻いてみましょう。
収縮しているゼンマイの様子が見て取れると思います。
グッとくる抵抗が手巻きの満タンの合図ですね。
ユニタスなんかは切ってしまう心配もないので、安心して巻きましょう。

そして自動巻き。
こちらもユニタスと同じように38時間は巻けます。
自動巻の時計は手巻きと違って巻止めというものがありません。
しかしある程度巻くと空回りするようになっています。巻けますけども、中身は回っていません。
カチンという音がするんですけど、それは満タンになってまた振り出しに戻っているわけです。
なので「それ以上は巻けませんよ」ということが内部で作動してるんですね。

最後に

いかがでしたか。
あのように同じ音が鳴るといいましても、鳴る意味が全く違うということが手巻きと自動巻きの違いとなります。
先ほどリクエストにありましたがみちゃん様のように、ジリジリ音が両方するというのはこういった違いがあるという風にわかっていただけたと思います。

あともうひと方ですね、会津大天友様、朝と夜に巻いてあげたくなる気持ちは山々なんですけれども、ぜひ1日1回で我慢してあげてください。
毎日翌日の朝巻くのが楽しみになってきますので、そういったところも手巻きの魅力でありますから、楽しんでいただければと思います。



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