文字盤にはラジウムが塗布され、ゼロ戦のコックピットなど戦時中に活躍した100式飛行時計。終戦後は懐中時計へと姿を変え、少ないながらも現代でもコレクターの方々が所有している、とても希少な時計です。
たまたま手に入れたもののうまく修理ができず、持て余していました。
元の姿へと戻すことを目標に考えていたましたが、どうせ直すのが難しいのならと、いろいろ使えるパーツと入れ替えてみることに。
時計の「顔」でもある文字盤はそのままに、心臓部分のムーブメントには、後に生産された15石の19型ムーブメントを採用し、内面の若返りに成功。これにより安定した精度へと変化しました。
通常の19セイコーは6時方向で秒針を表示するスモールセコンドであるが、文字盤が入らなくなるため外してみる。
もともとは中央から秒針が出ていた仕様でしたが、今回は6時方向にスモールセコンドがあるタイプのムーブメントを使用したため、秒針は外しました。
せっかくなので特別仕様にと、裏蓋はシースルーバックへ変更。アクリルガラス越しに聞こえる元気なロービートは、まだまだ現役で動けると時計が主張しているように思えてきます。他にはない時計へと生まれ変わりました。
正美堂 合田圭四郎
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正美堂時計店 ウォッチバイヤー兼時計修理三級技能士 合田圭四郎
主な専門分野
腕時計や懐中時計の仕入れ、販売、オリジナルウォッチのデザインや組み立て。スイスで開催されていた世界の見本市バーゼルワールドや香港ウォッチフェアーなど国内外の展示会への参加。秋葉原にて毎年懐中時計の展示会を開催
時計知識を深めお客様に時計の魅力をお伝えするため、2009年より毎週日曜日YouTubeにて時計に関する勉強会動画を配信。
背景
1979年、高知県高知市の老舗呉服屋の四男として誕生。時計好きが高じて2006年より正美堂時計店に入社。フライトジャケットやジーンズなどアメカジ、バイクをこよなく愛する。あらゆるお客様の環境を理解するため、腕時計は常に左右両方に着用。2019年、正美堂時計店創業50周年の節目の年に正美堂オリジナルウォッチを開発。
●正美堂時計店●
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