時計 時刻のズレが日に日に大きくなって、動かなくなってしまった。お客様からのお問い合わせより。

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ウォッチバイヤー 専務こと合田圭四郎です。
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今週の時計に関する日曜日勉強会は

時計 時刻のズレが日に日に大きくなって、動かなくなってしまった。お客様からのお問い合わせより。

本日はお客様から最も多いお問い合わせがありまして、日曜日勉強会でも数多く取り上げてきたひとつではあるんですけれども、もっと初心者様にもわかりやすくお伝えしていただけないかと思いまして、今回お題を登場いたしました。

宜しくお願いします。
それでは本日のお題を読ませていただきます。

最近使用している時計の時刻のずれが、
日に日に大きくなり、そして動かなくなりました。
時計を購入して1年ほどですが、電池切れでしょうか?
故障となる原因がまったく心当たりがないのですが…。

このようなお問い合わせの内容が結構多いんですけれども…
はい、時計というものは普通は動きます。動きますが、何かしらの理由で条件が整ってしまった場合、時間がずれるとか止まってしまうなどの予期せぬ状態に陥ってしまいます。

こんな時はどういったことが考えられるのかということからまず考えていき、対処方法を考えるということになります。

時計が止まる原因は『身近な磁石』にあり?

今回ですね、お客様の例を元に解説していこうと思います。
まず最初の文章で、「最近使用している時計の時刻のずれが日に日にに大きくなり~」とあります。
ここが気になるわけなんですけれども、クオーツ時計っていうのは止まる場合ピタッと止まります。

エンドオブライフ、電池切れ予告機能が付いている場合は、電池自体は普通に動いているんです。ただ秒針が2秒おきに動いたり、4秒おきに動いたりと不規則な動きをすることによって、ただ時刻は正しく表示されているのが普通なんですね。

なので、ずれが大きくなるのは電池切れではない可能性があるかなと。電池切れの可能性が0とは言えないですが、ここで考えられるのは、電池ではなく違った原因なのかなということが察しが付きます。

クオーツの時計ですと通常は2年間なのですが、モニター電池になっているといつになるかはわからないということなので、時間のずれが発生する原因は何かと考えていくとですね、今回懐中時計をお買い上げのお客様でしたので、収納している場所にも何か原因が潜んでいるのではないかということが考えられます。

その一つが「磁石」です。

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磁石といえば、こういったものを想像する人が多いんですけれども、こんなもの持ち歩いてないよ、という方がほとんどだと思います。

しかし、持ち歩く可能性があるのはカバンのマグネットなどですね。
知らず知らずマグネットが時計と近づいて反応してしまうということが可能性としてあります。

なので後ほどですね、時計の内部にはステップモーターというものが使われているんですが、それと磁石が近づくとどうなるのかという現象を一度お見せしようと思います。

磁石と時計が近づくことによって考えられるって言いますか、起きることが「時計が止まる」。
次に「遅れる」または「進む」、この3つの現象がだいたい考えられることになります。

なので一度、どういう風な状態においていたのかというご自身の環境も振り返っていただくと実はポケットの中にそういった磁力を発生するものが知らず知らず入っていたという事も一度確認することをおすすめします。

質問いいですか。
例えば先程カバンのマグネット、仰ったと思うんですが
その他に考えられる磁石、発生するような日常生活のものって何か考えられるかありますか?

意外に考えられるのが多いのはですね、車のキーです。

車のキーはどうしてもポケットに一緒に入れてしまう可能性があるんです。
なぜかと言うと、車のキーってスマートキー、なのでスマートキーって外装プラスチックですから、時計を傷つけないということで時計と一緒に入れてしまう人も若干いるようです。

あとはキーをマグネットで束ねるやつもありますよね。

あれもやはりその一つとなります。

わかりました。たくさん日常生活に原因はありそうですね。

なので、そういったものを知らず知らず近づけてしまっていたというのが今回止まってしまった原因の一つと考えられます。

マグネットを磁石に近づけると…?

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では、マグネットを近づけるとどうなるか見てみましょう。

ではこちらに懐中時計と磁石を用意してみました。
磁石が時計に近づくとどういった現象が考えられるのかというのを実際に試してみようと思います。

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まず磁石をムーブがある時計の背面から当てています。

今くっつけた状態なんですが、時計が止まりました。
と言いながらも実は秒針は動こうとはしているんですが、磁石の力で押さえつけられています。

時計のムーブメントにはステップモーターというパーツが入っていまして、そのステップモーターを制御するのは実は磁石なんです。

離すときちんと通常通りの動きを始めるわけなんですが、このステップモーターの磁石が今のようにマグネットとくっつくと止まってしまうんです。
これが遅れの原因という風になったりします。

意外に思ってないものが時計にくっついて誤差を発生していたというのはよくある話なんです。

ちなみこのステップモーターに使われている磁石なんですけれども、これが条件が整って外れてしまった場合、この秒針というのは今一秒おきに動いているんですが、それが歯止めなく止まらなく動くようになるんです。

つまりぐるんぐるんと回転するようになるんですけれども、これもやたら進む原因の一つとなります。
つまり、きちんとこの部品が外れずにいれば時計というのは一秒おきに進むので、日差というよりは月差程度のものですから、狂う可能性は低いんです。

しかしながら、知らず知らずマグネットがくっつくことで時計は判断に止まってしまうんです。

重要なのは『時計に磁気を近づけない』

いかがでしたか。
あのように磁石とくっつくだけで時計というものは簡単に狂ってしまうんです。

なのでこれは磁石なのかどうかっていうのは分からないことが多いかと思います。
ですから、時計を収納しているカバンであったりポケットであったり、他に何か入っていないかというのを一度見直して頂くことをおすすめしております。

今回聞いてて始めに思ったんですが、お医者さんににてるな、と少し思ったんです。
風邪を引いたな、熱っぽいな、病院行きますわね。そしたらお客様は聞くじゃないですか。
何日前からそういう現象とか、色々聞かれるでしょう。

なので今回思ったことも、ズレが大きくて動かなくなった、その前にどういうことをしましたか、ではないけれども、やはり遡るというか、そういうことが大事なのかな、って聞いてて思いました。

やはりどういう状況で使っていたということを一度振り返って頂くことによって、ひょっとしたら時計店に持ち込まずとも解決する可能性があるという風に思って頂ければと思います。

ここでちょっとお聞きしたいのが、今回のお問い合わせに多いのが、時刻のズレが日に日に大きくなったと。
それだけではなく動かなくなっただけの問い合わせもあるじゃないですか。これの原因もクオーツの場合は電池交換とまず思っていい?

ただですね、磁気を帯びた場合、時計がが遅れる、進む、止まる。この3つが考えられます。
なので止まるももう該当してますので、ひょっとしたらその可能性はあるかもしれないと。

つまりここの段階で初めてですね、お医者さんと言いますか時計に詳しい技能士さんに見ていただいて、その技能士が判断するということに踏み切れます。

わかりました。どちらにしても持ち込んで、見てもらった方がいいと。
ただ、その前に時間のズレがあったら、一回原因を考えてみよう。

ご自身の使用している環境というのを一度振り返って頂いて、その後でお医者様に持って行くと。
お医者さんもここではですね、時計屋さんに持っていくというふうに対応していただければと思います。

ありがとうございます。マグネットね、身近にある、多いよ思ったより、と仰ったのでもっと広く例えがあったらいいなあと思ったんですが、例えばスマートフォンとかだったら大丈夫なのかな、とかポケットに物を入れるとなったらキーとかライター、スマートフォンとか、お金、小銭、とか色々考えられるじゃないですか。

合田さんが仰った通り磁石を持ち運ぶ人はなかなかいない。
でも、今言ったような内容は持ち歩く人が多いじゃないですか。その中で危険と思うものをもうちょっと掘り下げてもらえたらな、と。

またそれは別の機会に、まあ色んな可能性というのは挙げるとキリがないというのもありまして、ケースバイケースでお客様からきたお問い合わせをご紹介できればな、と考えてます。

今回は止まった事例なんですけども、クオーツの時計も中に磁石が入っているからといって磁気帯びしないわけではありません。

磁気帯びをしてしまうと色んな現象が起きてしまうので、磁気に近づけないには越したことはないんですが、そもそもクオーツには磁石が入っているということも認識してもらうと、より時計の使い方といいますか、分かっていただけるかなと思います。



正美堂時計店は、時計知識を深めるため、お客様に正しい情報をお伝えするため、週1度時計に関する勉強会を行っております。
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