手巻き式時計って、ゼンマイを巻いていないとどのぐらいの頻度なの?

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ウォッチバイヤー 専務こと合田圭四郎です。
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今週の時計に関する日曜日勉強会は

手巻き式時計って、ゼンマイを巻いていないとどのぐらいの頻度なの?

今回の動画は「手巻き時計はゼンマイを巻いていないとどれぐらいの精度なのか」こちらについて検証してみたいと思います。

よく手巻きの時計の販売時に「ゼンマイは満タンまで巻いてください」と私は説明をしています。

なぜ満タンに巻き上げる必要があるのか、まずはこの概念からお話をしていこうと思うんですけれども、満タンに巻いている状態と満タンに巻いていない状態でどれくらいの違いがあるのかというのをお話できればと思います。

ゼンマイを満タンに巻き上げる理由

まずは時計の概念からお話をしていこうと思います。

時計のゼンマイは満タンに巻いてこそ初めてその本来の精度を発揮してくれます。

手巻き式時計って、ゼンマイを巻いていないとどのぐらいの頻度なの? – YouTube

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なぜ満タンまで巻いてあげる必要があるのか。
例えばこちらに一台のプルバックカー。本当はチョロQを用意したかったんですが、手元になかったのでこちらのプルバックカーを用意しました。

これがどういう風になるかというとゼンマイを少し逆に引いてあげると巻き上げられているので、指を離すとこんな感じで動きます。
今はわずかしか巻いていないのでこれぐらいしか動きませんでした。

では満タンまで巻くとどうなるのか。
今カチカチと言いましたね。これが満タンまで巻いている状態。
では指を離します。

なかなか走りました。勢いよく走ったんですけれども、これが満タンまで巻いた力となります。
これは時計のゼンマイにも全く同じ概念があてはまりまして、満タンに巻いている状態が力強く、縮んでいるのが広がろうとする。

この力が時計の動力源だというわけなんですけれども、それを使うことによってゆるやかに緩んでいきながらさっきのようにチョロQで言うと、手を離すと一気に緩みますけれども、これを制御しているのが時計の動力源となっています。

アンクルなんかで抑えてカチカチなっているのはそういう理由なんですけれども、はい。

フルに巻いた状態から徐々にに解除されていく、これが時計の原理となっております。
まずはこちらを理解しておきましょう。

常に満タンに巻いておけばいいのか?

こちらもたまに質問されることがあります。
満タンの状態がいいのであれば常時満タンに巻いていればいいんじゃないかっていう風なお声を頂いたことあるんですけど、実はこれ間違ってまして、満タンに巻いている状態、つまりフルに巻くとある程度負荷というのが時計にはかかっています。

その負荷が常にかかるようになってしまうと時計というのはやっぱり後々のダメージの原因となってしまうんです。

なので一度縮めて徐々に広がっていこうとする力である一定期間をおいた上でまた縮めてっていう風に反復運動を繰り返すことによって良い状態というのはキープされるわけなんですが、常時巻いている、例えば1時間おき、2時間おき、もしくは気が向いた時に巻くみたいなことをやってしまうと常に張りっぱなしの状態になりますので、ゼンマイが切れてしまう原因になりかねないということなので、適度に緩んで適度にしめてあげましょうということなんです。

適度にしめると言いますか、満タンまでしめて、適度に緩んで、解けてまたしめるということを繰り返して頂くことでいい状態をキープしやすくなるということをまず覚えておいてください。

緩みかけのゼンマイはどれだけ不安定なのか

こちらの状態を実物を実際お見せしながら検証してみたいと思います。
それではこちらで1本の時計を用意しました。

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こちら僕が普段私物として使っている19セイコーになります。

ただいまこちらの状態はゼンマイが止まっている状態です。

一切巻いていないのでこの状態なんですけど、動いていません。
では少しだけ巻いてみましょう。

いま、僅かながら動き始めましたが、まぁテンプの動きも遅いんですけれども、タイムグラファーにかけてみます。

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はい今、-119s/dとめちゃくちゃ遅れている状態ですね。

とてもこれでは時計として使えるものではないです。2分弱遅れている状態ですね。

全然ダメということはこれを見る限りわかります。

ではここで、ゼンマイをしっかり巻き上げてみましょう。

満タンまで巻き上げと結構あるんですけど、もうこれで満タンの状態になっています。

ではこの状態でどうか、見てみましょう。

先ほどと全く違う数字になりました。

手巻き式時計って、ゼンマイを巻いていないとどのぐらいの頻度なの? – YouTube

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つまり緩んでいる状態としっかり巻いている状態ではこれだけ差が出てくるということなんです。

ゆるみかけで使うとたまに安定することもあるんですが、基本的には不規則な感じになります。

こちらはきちんと安全して進んでいるという状態ですね。

こちら時計にとっては良い状態ということの証明となりました。

なので、ゼンマイはしっかり巻き上げてあげることによってこのようにきちんと時間を刻んでくれます。

十分ですね。
自分で調整してみたんですが、緩急針だけでも十分な精度が。

最後に

いかがでしたか。
あのように巻いていないとやはり不安定な状態になるわけなんです。

なので当店ではお客様にご質問頂いた時とかご来店時なんかに説明させて頂いてるんですけども、手巻きというのは基本、適度に解けた状態でまた満タンに巻いて、というのをしっかり繰り返して頂くことが時計にとって良い状態となります。

なので、できる限り毎日同じ時間帯に巻いてあげてくださいと説明しています。
朝であれば朝、夜であれば夜、別に時間は人の好みによって変えて頂ければいいと思います。

ちなみに僕は午後3時、まあこの時間であれば何かしらちょっと一息入れることもあったりするので僕は3時を基準と決めて巻いています。

自分の気分転換になるって意味で仕事の合間なんかに巻いているんですけれども、そういった感じで毎日ルーチンとして決めて頂くと時計にとってもいい状態をキープできます。

ぜひこちらでチャレンジしてみて頂ければと思います。

はいこちら以前の動画、手巻きに関することで頂いておりますので紹介させて頂きます。

はい以前の動画、「意外とクレームが多いんです。手巻き式時計の正しい使い方と巻き上げ方。」

意外とクレームが多いんです。手巻き式時計の正しい使い方と巻き上げ方。 – YouTube

0:00  ご挨拶0:07  今回の日曜日勉強会のお題0:33  手巻き式時計の正しい使い方10:59  70年ほど前はほとんどが手巻き式時計だった。01:39  意外とクレームも多いんです。02:55  ゼンマイの巻き方(会長編)。03:30  なぜ?毎日巻かなければならないのですか?04:52…

こちらの動画で頂いたのが、

この件でメーカーに問い合わせしたことあるけど
あまり使わないなら週1ぐらいの頻度で巻けばOKで
時計にとっても負荷が少ないので最適と教えられた

というお声を頂いたんですけれども、そもそもこれどういった時計によるかによります。

もちろん8日巻きなんてなってくると、一日程度では止まりませんけれども、だいたい普通の時計、まあユニタスの基準にして考えますと、約フルに巻いたところで38時間、つまり2日は持たないということになるわけなんですが、38時間程度ですと1週間はまず持つことは有り得ません。

なので止まって巻いてを繰り返す結果になってしまうんですけども、それというのはやはり時計に対しても負荷はかかってしまいます。

なので負荷がかからないということはないので、ムーブメントによりますけれども、それならば巻かない方が負荷がゼロという理屈になってしまいます。

なので、どうせならしっかり巻いてあげてくださいということになります。



正美堂時計店は、時計知識を深めるため、お客様に正しい情報をお伝えするため、週1度時計に関する勉強会を行っております。
また、新商品入荷など、ライブ配信にて情報をお届けしております。
チャンネル登録お待ちしております。

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