なぜオーバーホールが必要なのか?

 

今回の日曜日勉強会では、

【オーバーホール〜時計のメンテナンス〜】

 

こちらについて解説をしていきたいと思います。

 

「時計を持っているけど、

長年オーバーホールなんて出したこと無い」

 

そんな方に必見の記事(動画)となっておりますので

ぜひ最後まで御覧ください。

 


【なぜオーバーホールが必要なのか?】

 

時計というものはかなり多くのパーツが集合して

構成された精密機器となります。

 

 

各パーツがきちんと噛み合って動くからこそ

時計というものは成立しております。

 

時計の内部は人間の体と同じ。

眠っている間でも人間の体というものは

何かしら動いているわけですが

時計もゼンマイを巻いているor電池が入っている

限りは動き続けています。

 

つまりはずっと動き続けていると

何かしら劣化というのは必ずしもやってきます。

 

 

そもそもオーバーホールとは何なのか?

 

 

よく聞かれます。

 

メンテナンスとも言いますが、要するに

分解掃除です。

 

※撮影のため指サックを外しております。

 

その名の通りバラバラにして、

部品をまた洗浄して組み立てるわけなんですが、

 

そもそも

オーバーホールというのは

義務ではありません。

 

変な話、

20年オーバーホールしなくても

ずっと動き続ける機械式時計なんてものも

存在します。

 

なのであくまでもオーナーの自己責任、

車の車検のような義務というものでは無いです。

違反したから捕まるわけでも無ければ、

罰せられるわけでも無いのですが、

 

メンテナンス、オーバーホールを怠って

なにかしらの故障が生じた場合はすべて

オーナーの自己責任となります。

 

だれも保証はしてくれません。

もちろん、メーカー保証も適応されないですし、

そもそもその頃には保証期間外なことが多々あるでしょう。

 

何度も言いますが、

オーバーホールというものはあくまでも

オーナーの自己責任になります。

まずそこは理解しておいて頂きたいです。

 


ここでYoutubeのコメントや

実際のお問い合わせでも

よく言われるのが、

 

「時計買ったけど、

しばらく放置していたから

オーバーホールは必要ないよね」

 

 

答えは、

 

使用いていた・していないは

関係ありません。

 

使っていないからといって

オーバーホールの期間が延期されるわけではなく

必ず必要となってきます。

 

なぜか。

 

 

 

中に使用されている潤滑油(オイル・グリス等)が

乾燥するからです。

 

この潤滑油が無くても時計は動くわけですが、

噛み合っている部品同士がギチギチな動きをし、

お互いが削り合い摩耗していきます。

 

そしてその状態が続くとどんどん消しゴムのように

小さくなってしまい、

部品同士が届かなくなり正常に機能しなくなり

その時計は動かなくなる、または

時間に誤差が生じてきます。

 

それを防ぐためにはある程度の期間に

潤滑油を足して、分解掃除をしてが必要なのですが、

これって見た目には全く出てきません。

 

例えば、

それなり時計を使っていると傷があったり

ガラスが割れていたりで劣化していることは

判断できますが

それでも開いて見ているわけでもないので

きちんと注油されているかなんて

わかるはずがありません。

 

なので見た目が変わらないといっても

必ず劣化は進んでおりますので

定期的なメンテナンスは必要になってきます。

 

また、そこでよく言われること。

【時間ってどれくらいかかりますか?】

 

 

まあ、結構時間はかかります。

1〜2ヶ月は兵器でかかったりもします。

 

なぜ時間がかかるのか?

こちらについても解説していきます。

 

 

まずは技能士がきちんとした手順で分解します。

 

蓋を開け、各パーツを外していき、バラバラにしていきますが

このパーツが正常かというのを

1つ1つ確認していきます。

 

そして、交換が必要か等確認し

お見積りを出させていただきます。

 

※当店では見積り後、修理・交換をするか

決めていただきます。

お見積りをご納得の上、

進めていく場合は作業にかかります。

 

 

パーツの修理・交換が必要な場合は部品の手配を、

必要ない場合はそのままオーバーホールに

進んでいきます。

 

まずは汚れた部品を洗浄。

人間で言うお風呂に入るようなものですね。

そして必要な場所に注油し組み立てます。

 

さらっとお伝えしておりますが

意外と工程が多く、複雑な作業です。

 

組み立てが終わったらすぐお返しできるかというと

そうではなくて、

その後にこの時計がきちんと動作しているのか

経過を観察する期間をいただきます。

 

 

ここが一番時間がかかる部分です。

 

このように、一言でオーバーホールといっても

たくさん工程がございまして、

すべての工程をクリアしてやっとオーナーのもとへ

お返しとなりますのでやはり

あっという間に1~2ヶ月は経ったりします。

 

(△当店の一級時計技能士)

 

メンテナンスをする技能士の数も限りがあり、

その一人一人がいくつかの時計を管理しながら

作業しておりますので

おのずと時間がかかってしまうというのは

ご理解いただけたらと思います。

 

 

時計を維持するためには

オーバーホール・メンテナンスは必要です。

 

メンテナンスせずにもっている時計なんてものは

存在しないと思っていただいたほうが良いかと思います。

 

そしてやっぱり、

大切な人から受け継いだ

お金には替えられない大切もの、

 

例えば贈られたもの、引き継いだもの。

 

人によって大切な理由は違います。

 

もちろん未来に価値が出るかもしれないと

お持ちのかたもいらっしゃるかもしれませんが、

それでもきちんと良い状態を維持するためには

避けては通れない部分となります。

 

大切にし続けたい。将来大切な人に贈りたい。

そういった想いれのある時計こそ必ずしてあげましょう。

 

もしいまこの記事をご覧になられた方で、

 

💭前いつしたっけ…。

💭一度もしたことが無い

 

そんな方がいらっしゃったら、

今からでも遅くはありません。

 

 

当店では他店でご購入された時計の

オーバーホールも承っております。

 

 

当店に直接お持ちいただいても良いのですが

高知県なので遠いよ〜、という声が聞こえてきそうです。(笑)

 

その場合はオンライン上から!

修理・オーバーホールのお申し込みが可能でございます。

 

▷▷ぜひサイトを御覧ください。

 

それでは、今回の動画(記事)は以上になります。

 

 


1969年創業、正美堂時計店でございます。

 

正美堂時計店は、時計知識を深めるため、

お客様に正しい情報をお伝えするため、

週1度時計に関する勉強会を行っております。

また、新商品入荷など、ライブ配信にて情報をお届けしております。

チャンネル登録お待ちしております。

 

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