19セイコーの秀逸な秒針止め機構

日本の鉄道は世界でもトップ水準の正確さを誇っており、海外でも高く評価されています。戦争など激動の時代である昭和に誕生したのが、初の国内ブランドでの鉄道時計として認定された19セイコー。この時計なしには日本の鉄道史は語れないと言っても過言ではありません。

19セイコーの画期的な機能の一つとして、秒針止め機能があります。通常、秒針止めというとリューズを引いた時点で時計が止まる仕組みが当たり前の中、19セイコーは違っていたのです。リューズを引いても動き続けており、12時位置に針がくると止まる仕組みになっているのです。リューズに連動しているレバーと、秒針の裏側となる4番車にある突起が12時の位置で重なり、これ以上進まないようになっている仕組みなのです。

リューズを押し込むことでレバーが引っ込み、秒針が動き出すという画期的な構造になっています。

現代では当たり前にできる「同じ時間帯の共有」ですが、当たり前でない時代はこのように知恵を絞って素晴らしい機能が開発されていたのです。

正美堂 合田圭四郎

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