懐中時計はブランド、モデルの少なさから取扱店が腕時計に比べ圧倒的に少ないのです。現代は腕時計が主流なので当たり前と言われればその通りですが。

懐中時計といえば100年ほど前のアンティークを思い浮かべる方も多いです。しかし数少ないが、現行品として懐中時計を生産し続けているブランドは存在するのです。
創業100年を超える歴史を持つ時計ブランドであれば、もともとは懐中時計を製作していた歴史を持つところが多いですが、現在は腕時計に絞って製作するところも多くなりました。

正美堂時計店では、懐中時計専門店として最初に持つ懐中時計にアンティークはおすすめしておりません。理由としては何十年、下手をすれば100年以上経過しているアンティークは、想像しているよりもデリケートなのです。

デリケートであるということは、慣れていなく落下させてしまう可能性が高い、さらには電子機器に囲まれ磁気だらけの現代社会では、知らず識らず磁気のリスクにさらしてしまう可能性があるため、慣れていない方へアンティーク品をおすすめすることはほぼありえません。

せっかく懐中時計に興味を持ち手にしていただいたのに、知らぬ間に壊れてしまっては「懐中時計は壊れやすい」というマイナスなイメージだけが強く残ってしまう、そんな状況は避けたく、正美堂時計店では初めて持つ人にはインカブロックなど耐震機構が備わっている現行品、または30年以内程度のヴィンテージ品をおすすめしています。

懐中時計に触れ、安心して慣れていただくことで理解を深めていただき、アンティークウォッチにも興味を持っていただくことで、よりストレスなく懐中時計の世界を深くお楽しみいただけるのです。

現行のモデルと同じETA社製ユニタスムーブメントが使用されているヴィンテージウォッチも、耐震機構が備わっているので安心して使用できる時計。
アンティークではないが、これから歴史を刻み未来のアンティークへと育てて行く楽しみがあるのです。

正美堂　合田圭四郎

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