いつも正美堂時計店(ショウビドウ)をご覧いただき 誠にありがとうございます。 https://www.youtube.com/user/syohbido0512
ウォッチバイヤー 専務こと合田圭四郎です。
Thank you for watching.
今週の時計に関する日曜日勉強会は
「今さら聞けない!自動巻き時計とは?」 をご紹介したいと思います。
「今さら聞けない!自動巻き時計とは?」
時計を着用したことはない世代も年々多くなってきている現代ですけれども
正美堂時計店では2009年より時計の魅力や面白さをお伝えしようと発信し続けております。
このチャンネルを通じて
時計に興味をもっていただく人が増えてきたことから
これから時計に興味を持って頂く方へ
今さらは聞きづらい、自動巻き時計について今回はお話をさせていただこうと思っております。
時計について動画を通じ興味を持っていただければ幸いでございます。
それではよろしくお願いします。
ポピュラーな存在の自動巻き。そして仕組みとは?
現在の腕時計で最もポピュラーな存在と言われる
自動巻き時計ですが、「自動巻き」こちらの言葉通り
オートマティックとも書かれていたりします。
最大の特徴は腕に着用しているだけで自動的にゼンマイが巻き上げられる仕組み
になっていることです。
手巻きの時計は自分で巻くわけなんですけども、
自動巻きに関しましては腕に着用しているだけで重力などが加わり、
内部のローターがゼンマイを巻いてくれるという仕組みになっております。
こちらは世界初の自動巻き時計というのがありまして
イギリスの時計技術者であるジョン・ハーウッドさんが人間の日常生活で活動する動きを利用し、機械式時計内部に設置したローターが回転してゼンマイを巻き上げる仕組みというのを発明しました。
それがスイスブランドのFORTIS(フォルティス)です。
今僕がつけているこのフォルティスが1926年に世界初の自動巻き時計として発売されています。
その後いろいろ自動巻きが出てくるわけなんですが
製品として世界が初めて作ったものがフォルティスと言われております。
その時の特徴としては
それまではリューズでゼンマイを巻いていたので必ずリューズがついていたんですけども
リューズが付いていない時計が発明されました。
それほど手巻きは不要ですよということを証明した時計として
出されていたのがこのフォルティスの自動巻きということになります。
このように恐らく当時は相当斬新だったんじゃないのかなと思います。
実は古くからある技術なんです。
実は1926年よりも前からこの自動巻き時計が存在しています。
古くから実はある技術ということで世界初の腕時計が
1926年から100年足らずなのかと思いきや
実は、1777年スイスのアブラアン-ルイ・ペルレさんという方が開発した自動巻き機構。
腕時計や懐中時計になるんですがそれが世界初の自動巻き機構と言われています。
しかしながら、もともと懐中時計だけにですね、
ズボンのポケットであったり上着のポケットなんかで時計を下げていたので
そんなに振動が伝わらなく、現在のような自動巻き機構は仮に備わっていたとしても
充分に巻き上げられなかったんじゃないかということで
あんまりこの利便性というのが注目されず・・・
自動巻きというのは世界で初めて作ったのすごい技術ではあるんですけども、あまり流行らなかったようです。
当時は現代みたいに一般人が時計を身につけてることはなく、王侯貴族など本当に選ばれた人のみが着用していたアイテムであり、一般的にも認知されてなかったので広まらないのも少し頷けますね。
腕時計が実際誕生するの1926年前、日本で大正時代あたりでしょうか
このあたりはやはり復旧しなかったと言われています。
自動巻きのメリット!!! ~実演~
自動巻き時計のメリットについて、実際に時計を見せしながら話をしていきたいと思います。
3本の時計をご用意しました。
名前の通り自動で巻き上げてくれるので、腕に巻いていて着用するだけで
ゼンマイが自動的に巻かれている画期的な構造になっています。
毎日使用する時計であれば
着けてるだけでゼンマイを気にせず使えます。
最近ではロングパワーリザーブの時が増えたので
放っておいても数日は大丈夫な時計が増えてきました。
こちらAVIATOR(アビエイター)のDOUGLAS(ダグラス) デイデイトなんですけれども
もちろん着用しているだけでゼンマイを巻かれます。
こちらの裏面にあるローターが
回転してゼンマイを自動的に巻いてくれます。
故意に巻こうと考えずとも日常生活をしているだけで、いつの間にやら腕の角度でローターが回転しゼンマイを巻き上げてくれる仕組みになっています。
お次にこちらの時計がTISSOT(ティソ) PRX メンズ オートマティック。
どんな特徴かと言うと先ほどの自動巻き機構としては同じです。
同じですが、こちらの場合は80時間のロングパワーリザーブ機能があり、
満タンから80時間動いてくれますので
約3日ほどほっておいても大丈夫と言われているのがこのパワーマティック80の特徴です。
つまり週の月曜日から金曜日まで5日間、毎日着用して
土日は時計を着用しませんという方にも最適なモデルといえます。
最後にこちらをオリス(ORIS)ダイビングAQUIS(アクイス)キャリバー400。
このムーブは何が特徴かと言いますと満タンから120時間も動き続けます。
つまり120時間というのは5日間になるわけなんですけども
最大5日間、時計が動き続けてくれるという構造になっています。
かなりのロングパワーリザーブですね。
なのでこちらは先ほどと逆に週2日しかつけない方、
土日しかつけない方が月曜日から金曜日まで放っておいてもきちんと動き続けてくれる機構になっています。
ツインバレルといって、巻くところが2か所ついており、かなり巻き上げが必要となりますが
満タンに巻いておくとかなりもってくれるという画期的な機構になっています。
※ツインバレル・・・ゼンマイを収納している香箱を2つ設置
自動巻きのデメリット・・ ~実演~
お次は自動巻きのデメリット。
先ほど言いました着用しているとゼンマイが巻かれます。
しかしその逆で着用していないとゼンマイが巻かれていません。
コレクションが多い人ほどワインディングマシーンなど
ゼンマイを維持するアイテムが必要になる場合があります。
↓【過去動画】なぜワインディングマシーンは必要なのか?
着用頻度は低く中途半端に巻かれているゼンマイは本来の精度が出にくいというのも特徴で、止まってしまうと毎回カレンダーであったり、曜日のカレンダーと時刻を合わせる必要が出てくるということを必要なります。
上記の写真のようにパワーリザーブインジケーターというゼンマイの巻き残量が分かるメモリが付いてる時計があり、そのような時計は一目で分かるんですが、
こちらのラグラスデイトは時計自体は動いているんですが
今これがどれほど巻いているのかっていうのは分かりづらいです。
なのでデメリットとしてはゼンマイの巻き残量はわかりづらい時計が多いというのがデメリットなのかなというところです。
自動巻きが自分に合っているか?見極めよう!
いかがでしたでしょうか?
自動巻き。腕に着用しているだけでゼンマイが巻かれるのはとても便利です。
僕も最初に自動巻きの時計を手にしたときは嬉しくて毎日着用してましたが
もちろん止まることなく動き続けてくれました。
今でも自動巻きやっぱり愛用してますね。
はい、ここでも覚えておきたい事が一つありまして
自動巻きの時計が本当に自分に合っているのかを見極める必要があります。
一般的な時計ではですね機械式時計の場合
圧倒的に自動巻きが主流となっていることもあってやはり自動巻きを主に勧めてくるお店がほとんどです。
時計店の立場からしてもですね単価も高いですし、やっぱりこう機械式時計の方がは良いですよっていうのは仕方がないかなと思いますが、皆さんに合っているかどうかは正直不明なところです。
僕達もやはり接客する際にお話を聞いた上で、この人には自動巻き合っているのかな?
手巻きの方が合ってるのかな?もしくはクォーツが合っているのかな?というように見極めさせて頂いてます。
その上で最適なモデルというのをご紹介してるんですが、よくリューズを巻いてしまう人。
まずはリューズを巻いてしまう人の特徴がありまして何回か止まっているという経験をしている方が多いです。
もちろん時計店の人が巻いてくださいねって過剰に説明した場合もそうなってしまうんですが、よく止まってしまう人はそもそも自動巻きが生きていない。つまり活用できていない場合がありますので、そういう方にとっては機械式時計では自動巻きより手巻きの方が向いている場合もあります。
↓【過去動画】こんな人ほど手巻き式時計を持つべし!
最終的にオーナーとなる方が自分自身に合っているのか、一度知る必要があります。
合わない方を着けるとストレスでしかないので、
段々と着けることが嫌になってくる理由の一つにもなってしまいます。
しょっちゅう巻いてしまう方は
自動巻きより手巻きを選ぶのも一つの手段かもしれません。
そのあたりはご自身の使い方というのを見極めていただければと思います。
それでは今回の動画は以上となります。
【過去動画】時計の今さらシリーズ!
↓今さら聞けない!「クォーツ時計」とは?
↓今さら「知らない」とは言いづらい、時計の用語スペック 5選ー前編ー
↓今さら「知らない」とは言いづらい、時計の用語スペック 5選 ー後編ー
正美堂時計店 ウォッチバイヤー兼時計修理三級技能士 合田圭四郎
主な専門分野
腕時計や懐中時計の仕入れ、販売、オリジナルウォッチのデザインや組み立て。スイスで開催されていた世界の見本市バーゼルワールドや香港ウォッチフェアーなど国内外の展示会への参加。秋葉原にて毎年懐中時計の展示会を開催
時計知識を深めお客様に時計の魅力をお伝えするため、2009年より毎週日曜日YouTubeにて時計に関する勉強会動画を配信。
背景
1979年、高知県高知市の老舗呉服屋の四男として誕生。時計好きが高じて2006年より正美堂時計店に入社。フライトジャケットやジーンズなどアメカジ、バイクをこよなく愛する。あらゆるお客様の環境を理解するため、腕時計は常に左右両方に着用。2019年、正美堂時計店創業50周年の節目の年に正美堂オリジナルウォッチを開発。
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