いつも正美堂時計店(ショウビドウ)をご覧いただき 誠にありがとうございます。
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ウォッチバイヤー 専務こと合田圭四郎です。
Thank you for watching.
今週の時計に関する日曜日勉強会は
時計を大切に使い続けるための、絶対に欠かせないメンテナンスとは。
時計というのはたくさんのパーツが集合している精密機器なんですけれども、全てのパーツがきちんと噛み合うことで時計として成り立ち、動きます。
今回の動画ではメンテナンスの必要性について解説をしていきます。
大切な時計を長く使い続けるため、是非定期的なメンテナンスの必要性を、重要さを気付いて頂ければと思います。
時計は精密機器であることを理解する
数多くのパーツで構成されている時計というのは、一つ一つのパーツが力を伝達して、できなくなるだけで動かなくなってしまいます。
例えば懐中時計の手巻き式ムーブメント の場合、1秒間に5振動、ユニタスの6497、6498とかですね、もしくばそれ以前のアンティークやビンテージの時計なんかもそうなんですけれども、いわゆる「ロービート」と言われるものというのは、1秒間に5振動動きます。
1時間で18,000振動、1日で432,000振動、ずっとこれを毎日動き続けたと仮定して、1年間で157,680,000振動も動き続けます。
たった1年でこれだけ振動しているわけなんですけれども、負担がかからない訳がないですよね。
ずっと続けている訳ですから、まずは時計はあくまでも精密機器であることを理解しましょう、ということで次に進みます。
時計は自分から発信できない
これはどういうことかと言いますと、人間というのは体調が悪いと人に「今日ちょっと体調悪いな、止まりたいな」とか発信できたりして周りの人に知らせることが出来ます。
という風に伝えることはできるんですけれども、意思を持たない時計というのは自分自身の調子がいくら悪くても自分から発信することはできません。
決まった通りに動くだけですね。
元々調子良く動いていても、いつか何かの歪みで動き続けることができなくなってしまう。
まあパーツが疲弊したりですね、そういった疲弊しても、疲れたとも言えないのが機械ものなんです。
負荷がかかり続けてくる以上、負荷がかかることが永遠に続いていく訳なのでそのままでずっと居続けることは不可能、ということをまず理解しておきましょう。
何か起こる前に定期的なメンテナンスが良い状態を維持する秘訣
「何か起こったら」ではなくて、定期的なメンテナンスをある程度スパンで繰り返し行うことによって時計は安全な状態というのが保たれます。
メンテナンスを怠っている時計というのはやっぱりこう不安定なんですね。
調子が悪くなってから修理に出したりなんかしていると、ある程度部品が摩耗して交換したりとか、最初の状態を全然維持できてないということになってしまいます。
こうなってしまうと他の部品の歪みというものも徐々に出てきますので、何十年後かに見ると、調子の悪い時計へと生まれ変わってしまうということに繋がります。
なので、定期的なメンテナンスというのは例えば新品当初であれば4年後、あとは3年おきという風にお伝えさせて頂いてます。
まあそんなに車の車検みたいに義務というわけではありません。
あくまでもオーナーの自己責任ですので、出すか出さないかは全部時計を使っているオーナーが決めることではあるんですけれども、適宜出すことによって時計は間違いなく安全に保たれるということを理解しておいて頂ければと思います。
わざわざ時計が悪くなる可能性を高めなくても、定期的なメンテナンスを行う、これだけできちんと良い状態が維持できるということを覚えておいて頂ければと思います。
メンテナンスをしないとかえって高くつく
まとめなんですけれども、費用がかかります。
まず大体こういった所で「出すのが面倒」とか「費用が高い」とかでメンテナンスというのは敬遠されてしまうんですけれども、そのままメンテナンスせずに使い続けてしまうとある日突然止まったりしてしまいます。
ある日突然止まってしまうと元々内部できちんと噛み合っていたパーツが何かがダメになって動かなくなってしまうので、予期せぬパーツ交換とか修理が必要になってしまうことに繋がる訳なんですが、そうなってしまうと結果的にメンテナンスをしない時よりも高くついてしまいます。
潤滑油をきちんと足して、埃を除去しているだけで防げる故障というのがたくさんありますので、その時計をいつか手放すことになる場合子孫に譲る場合もそうなんですけれども、人に売却する場合でもそうなんですが、そういった時に査定が低くなってしまうというのもネガティブな部分です。
なのできちんとメンテナンスをしていることによって高く評価される時計にもなりますので、面倒くさいとか億劫には考えずにやっぱり定期的なメンテナンスというのを心がけておくのをお勧めします。
もらった時計はオーバーホールした方がいい?
今回の動画にあたり、ひとつYouTubeのコメントで頂いたものを紹介させて頂きます。
ティソの懐中時計をもらいましたが、
オーバーホール歴が分かりません。
日差は5秒と文句無いですが
オーバーホールしなくても良いのでしょうか?
現時点で動いているのであれば良いかと思いますが、ただ、それが何年その状態なのかわからないです。
まずそこで情報を集めるということをやって欲しいんですけれども、例えば付属品がある場合、保証書の日付がいつなのか、後は技能士の方に見てもらうのが一番手っ取り早いですね。
時計の行う方によってはなんですけど、蓋を開けたら裏蓋にいつメンテナンスをしたっていう風に履歴を書かれている方もいらっしゃいますので、そういったところで後は技能士の方が見るとオイルが切れてるかどうかも判断できるという事もありますから「餅は餅屋」っていうことでプロにぜひ見て頂いてはいかがでしょうか。
それだけで簡単にわかりますので、多分素人判断では難しいと思います。
参考になるのは保証書次第ということですね。ぜひ見てもらってください。
正美堂時計店は、時計知識を深めるため、お客様に正しい情報をお伝えするため、週1度時計に関する勉強会を行っております。
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正美堂時計店 ウォッチバイヤー兼時計修理三級技能士 合田圭四郎
主な専門分野
腕時計や懐中時計の仕入れ、販売、オリジナルウォッチのデザインや組み立て。スイスで開催されていた世界の見本市バーゼルワールドや香港ウォッチフェアーなど国内外の展示会への参加。秋葉原にて毎年懐中時計の展示会を開催
時計知識を深めお客様に時計の魅力をお伝えするため、2009年より毎週日曜日YouTubeにて時計に関する勉強会動画を配信。
背景
1979年、高知県高知市の老舗呉服屋の四男として誕生。時計好きが高じて2006年より正美堂時計店に入社。フライトジャケットやジーンズなどアメカジ、バイクをこよなく愛する。あらゆるお客様の環境を理解するため、腕時計は常に左右両方に着用。2019年、正美堂時計店創業50周年の節目の年に正美堂オリジナルウォッチを開発。
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