時計になぜ宝石が使われているの？その宝石に価値はあるの？

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ウォッチバイヤー　専務こと合田圭四郎です。
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今週の時計に関する日曜日勉強会は

時計になぜ宝石が使われているの？その宝石に価値はあるの？

今回の動画は時計によく使われる宝石、17石（せき）とか25石とか色々言われたりしますけれどもなぜそもそもこの宝石が使われているのか、その宝石って何の価値があるのか、ということについて少しお話ししたいと思います。

機械式時計に使われる宝石「人工ルビー」

よくいただくと言いますか表記で見ると思います。

特に古い時計なんか見ていると普通の懐中時計の機械なんかでも「17Jewel」とか25とかいう風に使われてたりするんですけれどもこれは何かって言うと、ここに使われている宝石の数。

よく時計は人工ルビーって言われるピンク色のちょっと分かりやすいかな、これがちょっと大きさを見せますとこんな感じの宝石が使われてたりします。

かなり見えづらいと思うんですけれども、

こちらの方、写真を載せておきますのでそちらもご覧下さい。

何かと言いますとこれは人工ルビーと言いまして、人工的に作ったルビーで

機械式時計に興味ある方はこういう風に見ると当店のオリジナル時計ですけども、こんな感じでいろいろピンク色に見える部分がこの人工ルビーが使われてる部分です。

色んな世の中、色んな考え方する人もいるので、例えば時計には興味がないけど宝石は好きだということで例えば壊れた時計なんかの人工ルビーを集めてそれで例えば集めて宝石、ジュエリー部分だけのジュエリーを作ってみたりとかアクセサリーを作ってみたいっていう考え方もするっていう人もいらっしゃいます。

ただそれっていうのは、ルビーって言うのはちょっと色々種類がありまして、天然ともちろん人工、時計に使われるのは人工です。

なぜ人工かって言うと天然石をここまで削るのにかなり手間暇かかる

ちなみにこれ一番わかりやすいかな、こちらなんかで見るとこれもジュエリー、ルビーがこの中に入ってるんですけど2個ほど、これはやっぱりどうしてもこの「ホゾ」って言いまして溝があるんですね。

溝があってその中にこちらのような歯車、これが入ってます。

これで上下を抑えるためにこの宝石は使われてるんですけれども、その加工を天然石で加工しようと思うともちろん宝石なんで相当な硬度、硬さがあるわけですけど、その固さを加工する難しさということで相当なコストがかかってしまうわけですね。

なので人工を使って自由に形を生成できるようにしてるんです。

もちろん宝石なので。

じゃあそれを取っ払ってこれを、人工ルビーだけを集めてちょっと集めた集合体がこんな感じであるわけですけども、これが人工ルビーの集合体ですね。

いっぱい入ってます。

もう30個以上はあると思うんですけども、じゃあそれを使って何かできるかって言われたら人工ルビーと天然ルビーでは価値が全く違います。

人工ルビーは天然ルビーの1/1000の価値と言われています。

つまり何百円かで買えるわけですね。

ではこれをわざわざ溶かしてジュエリーとかにして加工して作ろうと思うと多分ルビーのジュエリーを買ってきた方が安いんですよ。

加工賃考えたら。

だから多分これで作ろうって考えになる人が少ないのではないかなと。

もしくは作ろうという考えになったとしても実行されない人がほとんどじゃないかなと思います。

実行しようと思うと相当コストかかりますのでそこを度外視したらできないことはないと思いますけどもお勧めしません。

さてそのルビー、ルビーと言いますか、なぜ使われるのかというと先ほどもお見せしましたというより時計の方をお見せした方が早いと思いますのでそちらを見ながら説明しようと思います。

時計に用いられるルビーの役割とは？

こちらにいくつか時計とルビーの方、置いてます。

ちなみにこちら19セイコーですね、こちらの中にこの先ほど言いましたルビーってのが配置されてます。

3つほど分かるんですけども、元々なぜこれが使われるかというと先程もちょっと説明しましたけど、

こちらの歯車、こちらを上下に抑えて、言えば歯車ってずっと回転して回ったりするのでそのためにここの押さえというのは摩耗するわけです。

その摩耗を防ぐために人工ルビーを使ってこちらの上下を抑える仕組みになってるんですけども、

例えば同じパーツでもこちらに二つありますが、ルビーを使っているものと使ってないもの、例えばこの19セイコーなんて2種類ありまして、2種類どころかゼロってのもあるんですけれども

こちら15石用のパーツでこちらは7石用のパーツ、こちらの場合、いわゆるこれが15石、こちらに「15 JEWELS」と書いてあるんですけども、15石使ってるのが半分以下しかないというところなんですが、

こういった部分なんかには大体使われてるんですけれどもこれがないとこれが上下にないとずっと動く部分、ちょっと止まってますけども実際ゼンマイを動かしますと、動き出しました。

こちらで、この19セイコーで今一時間に18,000振動、つまり1秒間に5振動するわけです。

5回これを振動するので摩耗ってのがかなり進むわけですね。

先ほど見せたこの歯車ってのはもう摩耗してダメになったものです。

このあたりにホゾって言いましてそこに埋まって回転をずっとしてるわけですけども、そこがやっぱり摩耗してダメになってるためにこのルビーを用いるわけですけれども。

ちなみにこちらにあるのはこれは宝石用のルビーです。

なのでかなり大きいですね。

これぐらい。

天然か人工かって見分けるやり方はあるんですが、またちょっとそれは別の機会。

たぶん宝石にお詳しい人は見た方がわかりやすいかと思います。

先ほども見せましたこちら。

これが時計に使われてる宝石を集めたものです。

本当に1ミリもないので相当ちっちゃいんです。

見てわかるかな。ちょうどピント合いましたね。

ちょうど受けの方があって穴がポコっと真ん中の方でへこんでるんですよ。

こんな感じでちっちゃいんですよ。

これ自体が1ミリないので相当な小ささですね。

これを使って宝石、宝石を使って摩耗を防ぐわけなんですけれども

こちらが19セイコーで現行のETAの機械、ユニタスですね。

これ当店のオリジナルウォッチの機械なんですけれども、見てください。

こうすると機械の配置ってのは条件的にほぼ一緒なんですよ。

大きい歯車って言いますかこちらがあるところの部品的なパーツは結構酷似してます。

基本、これが手巻きの構造と思うと分かりやすいんですけどもただ宝石使われてる場所なんかが違ったりします。

これはやっぱり各社やり方が違うので、こちらはセイコーとスイスという風に分かれてくるわけですけれども、でもやってる概念は全く一緒で宝石を使って歯車の上下を押さえて動いてるんですね。

時計って成り立ってるんですがここにプラスアルファ、オイルを差してます。

オイルやグリスが製造時とかオーバーホール時に差しているわけですけどもそれがあることによってこの部品が円滑に、摩耗しづらく動くようになってます。

で、ある程度使用すると3年もしくは5年って言うのもあったりするんですがそれぐらい時間が経ったらこのオイルが乾燥します。

なので動きはするんですけれどもそのぶんこの宝石の方へこちらの歯車、これなんかも金属ですからこういうパーツの摩耗を進めます。

進めて、初めてもう使えなくなると、この削って全くかみ合わなくなるんですね。

そうなるともうこのパーツを交換する他なくなるわけですけどもそうなった場合、やっぱりある程度コストがかかると。

なので定期的にオーバーホールをして部品を洗って汚れを落としそしてオイルを足してまたリフレッシュして使うという風にしてやろうと。

時計というのは長年使うようにできてます。

なのでこの宝石っていうのは必要不可欠なんです。

これがないと時計の劣化はめちゃくちゃ早くなります。

これでも人工で作ってるので天然に比べて1/1000の価値で宝石を作れ、かつ時計に耐久性ある部品として活用できるというのはこれが理由です。

見た目のちょっとピンク色に見えるっていう可愛らしい部分もあると思うんですけど。

ちなみにちょっと違うものでこれも僕がつけてる時計のサンプルなんですけれどこちら裏面を見るとこちらでスケルトン用の懐中時計のムーブを使ってるのでこんな感じにルビーも見やすいです。

かなり綺麗ですね。

こういう風にすると色合い、例えばこの青いネジであったりピンク色のルビーであったりとかこういう地板の銀色の部分とテンプ輪の金色とかで結構華やかに見えるんですね。

こういう風にして時計って構成されています。

なのでこの宝石ってのは絶対に必要な部分にはなってくるわけです。

昔ゼロ石なんてやつもありましたけどね。

やっぱりそういう時計はかなり劣化が早いです。

やっぱりある程度石の数、ちなみにその石の数にも色々制限はあるんですけれども、はい。

最後に

まあ細かい部分をお見せしましたけども、こういう風に時計にはジュエルは絶対に要ると。

なぜルビーなのか、ルビー以外じゃないものってないのかっていう風に言われるんですが、よく聞いたことあるといいますか見たことあるのはダイヤです。

昔のウォルサムの時計なんてのはダイヤが使われてたりするんですけれども、やっぱりその分高額になってます。

ダイヤなのでそれを難しく加工する技術でそれをやっぱり作る元の原石のお金も考えるとだいぶ高額になります。

で、当たり前ですけど先ほど17石から25石ほど使ったりするのでそれだけを考えてもその宝石だけ集めても結構な額になるので必然とムーブメントが高額になってしまうと。

だからもう一生もの時計とか昔のウォルサムでもグレードはかなり高いタイプしか使われてなかったですね。

元々それ以外のものは使われてないです。

だから人工ルビーを使ってコストを抑えめにしてムーブメントで使用するという風に捉えていただくと。

これもよく聞かれることで石の数と価値は比例するのかって言うんですがこれはもう関係がほとんどありません。

もちろん先ほど言った25石以下とかまあ昔の時計ですとそのセイコーの19セイコーの7石とか当店でも取り扱ったことはあるんですけども、やっぱりちょっと調子の方はそんなに良くなくて、いくら保存状態が良くてもやっぱり中身の石がそもそも少ないのでちょっと劣化が早いタイプなんです。

ですのでやっぱり15石以上で現行ですと基本17石以下はあまりないのでその辺りはもう安心できるかと思うんですけれども、昔あったその100石なんていうのは基本先程お見せしたようにこの時計に使われる場所は決まってます。

つまり必要な部分でも17個は埋まってるわけですからそれ以外の例えば文字盤に装飾であったりとかリューズについていたりとか、だから飾りなんですね。

合計100個、それももちろん高級時計でしたけども違うところに価値が出ているというふうに思っていただくと分かりやすいかと思います。

なので時計としてはもう10から25ぐらい自動巻きの時計で大体25石ぐらいかなという風に現行も大体決まってますから、その辺りを時計の最低限の基準だと思っていただくと良いかと思います。

人工ルビーっていうのは見た目もいいですし色々ものの方を見ながらお好きなムーブメントとか選んでいくのもまた時計の楽しみじゃないでしょうか。

ムーブメントってあまり見ることありませんからね。