時計専門店53年目、自動巻き時計についての質問に答えます。

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ウォッチバイヤー　専務こと合田圭四郎です。
Thank you for watching.

今週の時計に関する日曜日勉強会は

時計専門店53年目、自動巻き時計についての質問に答えます。

今回の動画は自動巻きについての疑問・質問にお答えさせて頂きます。

今回は三つほど紹介しています。

本当は一本一本じっくり答えたいところなんですけども、そんなの大した答えではないので三つにまとめさせて頂きました。

よろしくお願いします。

日差が遅れがちに！何か問題が？

まずお一人目の方、Sinnギスカーン様。

そうですね、時計店でも精度というのには基準を設けておりまして、正美堂時計店ではプラマイ20秒以内が正常範囲と定めております。

ただしクロノメーターなどC.O.S.C.（コスク）とか、ああいった厳しい基準の場合はプラマイ5秒という風な基準を設けてるんですけども、それにしても収まっているのでさして問題ないんじゃないかなとは思いますが、長年使ってきて調子が変わったのであれば少し気になるところではあるかなと思います。

この場合いくつか考えられるのは、磁気帯びであるかもしれない、もう一点はオーバーホールをしているかしていないかで別れ道になります。

していない場合はだいたい油切れとかそういった要素が条件が整って遅れが出てくるということになります。

もしメンテナンスをした心当たりがない場合はぜひ近くの時計店、まあ当店でもできるんですけれども申し込んで頂いてオーバーホールなんかをして頂ければと思います。

はい、次にそのメンテナンスはしているがという場合は磁気帯びの可能性があります。

デスクトップといえど本当にあの、まあこんなタブレットなんかも、一つもそうなんですが電化製品だらけです。

家電品はしっかり磁気を帯びていますので近づけるだけで知らぬ間に磁気が時計に入ってしまいます。

そういうこともあるので確認してみてはいかがかなと思います。

勿論時計店に持ち込んで、磁気自体を見て頂くのも一つの方法なんですけれども、もしそれが出来ない場合というのは100均などへ行くとアナログのコンパスが売ってますので、アナログのコンパスを近づけて針が動いたら磁気を帯びていると。

その後磁気抜きに行こうという行動ができます。

近づいても針が動かない場合は磁気がほとんど入ってないのでまた違う原因が考えられるのではないでしょうか。

回答としてはこんな感じになります。

あと、15日平均で日差という風に計算されているようですけれどもこれはもう日差、日差で時計店であればタイムグラファーなんかで普通に測れますのでそういったもので計りますともっと正確になるかなと思います。

遅れがちの場合、必ず針が下向きになりますので分かりやすいかなというところですね。

回答としては以上となります。

これは手巻き？自動巻き？

それではお次の方に行きたいと思います。

どうなんでしょう。
これは振り子がないといいますか、ローターが無いのであれば手巻きですね。

ローターがあるのであれば自動巻きなので機械を見てみないと何とも言えないんですけれども、まあ蓄積と言いますか必ずゼンマイが巻かれます。

リアルタイムで巻いたぶんしかその場で動かないっていうことはまず想定としてはありえないと思います。

なので、どちらの時計かまず判別する方法はあるのかなというところです。

で、振ったら動くというのはこれは手巻きにしろ自動巻きにしろ振ったら動きます。

何故かと言うとテンプ輪が重力によって動きますのでそれでちょっと動くんですが、ただゼンマイを巻いていないとそれを動かす力がないので、すぐ止まってしまうということになります。

なので是非、ゼンマイを巻くとは云々の前にその時計は手巻きなのか自動巻きなのかっていうことを一度確認した上で次の行動を起こして頂ければと思います。

はい、回答としては以上となります。

自動巻き時計を手で巻く時は…

はい、それでは三人目の方、行きます。

たっくん様、ありがとうございます。

そもそもですね、これはずっと僕は言っていることなんですけども、手巻きといいますか自動巻きの場合は手巻きをそんなにしなくてもいいです。

なぜかと言いますと動く状態になって後勝手に巻かれていくのが自動巻きです。

自動巻き時計というその名の通り自動で巻き上げてくれるのは自動巻きの役割なので、最初だけ、動くまで手で巻いてそこから後はもう腕に着用してあげましょう。
という風にしてます。

コハゼついてなんですけれども、言葉で説明するより実際実物の機械をお見せしたほうが分かりやすいかと思いますので今から機械のほうを映していきたいと思います。

それではこちらに二つのムーブメントを用意しました。

まず一つ目は正美堂が今最も推しているユニタスと互換性のあるスイス製ムーブメント。

こちら17石の手巻き式ムーブメント。

既に動いてる状態ですがリューズを巻いて、戻してという風に巻くんですけれども、この時にリューズを巻いて手を離すと、パチンと。コハゼがカチっという風に聞こえます。

やはりこれがダメージを与えるために巻く時は巻いてゆっくり戻してまた行って戻して手で回すことをお勧めしております。

こうすることによって余分な摩耗が少しでも減るために機械の方に負担がかからないという風に説明しております。

では自動巻きの方行ってみましょう。

自動巻きなんですけども、こちらリューズを巻いてみます。

巻くと内部で切り替え車がシャリシャリという風に音を立てるんですが、やはりこれ自体は金属同士の摩耗なので動くまではこのように巻いてあげて動き始めるとテンプ輪が元気に動き始めますので、こうなるともう余分に巻かずに後は腕に着用して時計が動くようにしてあげましょう。

今これちょっと秒針が止まってしまいましたけども、本来これ元気に動きます。

蓋を外すとこんな感じで。

なので、あくまでも手で巻くのは動くまでの補助と思って頂いた方が宜しいです。

基本的に腕時計でも自動巻きと手巻き式は仕組みが違うということになります。

最後に

いかがでしたか。

このように自動巻きと手巻きでは根本的な構造の違いがあるので、同じ時計としても全く属性が違います。そんな感じですね。

少しでも時計の構造自体をちょっとずつ理解して頂ければ嬉しいです。