育てる楽しみエイジングウォッチ＝「ブロンズ時計」の魅力。

いつも正美堂時計店（ショウビドウ）をご覧いただき 誠にありがとうございます。
https://www.youtube.com/user/syohbido0512

ウォッチバイヤー　専務こと合田圭四郎です。
Thank you for watching.

今週の時計に関する日曜日勉強会は

育てる楽しみエイジングウォッチ＝「ブロンズ時計」の魅力。

今回の動画では「経年変化を楽しめるブロンズ時計の魅力」こちらについてお話をしていこうと思います。

持てば持つほど自分だけの色合いに変化していくブロンズ、かなり魅力的な素材ではあります。

よろしくお願いします。

ブロンズ時計の魅力とは？

本来、時計というものは汚れや傷っていうのはネガティブな印象を与えるものとして好まれません。

ですが、その逆を行くブロンズというのは今人気の素材となってきました。

今回の動画では新品の状態ではあまり想像がつかないブロンズ時計のエイジング、これがどう進んでいくのかというのを実物を交えながらお話をしていこうと思います。

まるでジーンズのように自分だけの色合いへと変化してくれるブロンズ、とても魅力的な素材かなと僕も個人的には思っております。

自分としてはジーンズが好きっていうのもありますので、結構ジーンズをゼロから履くと。

よくビンテージのレプリカジーンズなんかあったりするんですが、それをわざわざ買ってきてずっと自分だけの色に履き潰していくっていうのは結構そうですね、僕の場合は学生の時から好きだったんでよくやっていたんですけれども、その感覚に凄くこのプロセスが近いのかなという風に思っております。

それでは行きましょう。

まず、ブロンズの素材なんですけれども元の素材というのは、元の姿っていうのは最初のみとなります。

結構空気とか人、何かに触れることによって変色していくブロンズってかなりデリケートなんですよ。

こうみるみる変化するというのが魅力の一つなんですけれども、本当に新品当初はローズゴールド、きれいな色なんですが徐々に変化して変色しています。

何十年も使ってきて、まるでこう海底から沈んでいたものがあがってきたかのような鈍い色合いへと変化していくのが風合いが渋くてまるでヴィンテージ時計のような魅力になってきます。

ほんと、たった何年かでも何十年ものみたいな感じで見えてくるのが一つの醍醐味として人気のブロンズです。

どうエイジングしていくのか？

はい、これで次はどうエイジングしていくのかが使用しているうちに酸や塩分、湿気、この条件がそろうと黒ずみが現れてきます。

毎日徐々に変化していくので使用する分には使用する環境によってエイジングのスピードというのは変化していきます。

海水や汗など塩を含む塩分が付着し、放置すると「緑青（ろくしょう）」と呼ばれる緑色の青緑色の錆が出てくるっていうのが特徴です。

どういう風にしてエイジングするのか後ほどお見せしますけれども、いま先程言った酸や塩分、湿気、こちらの条件が兼ね備えているのはやっぱり人間の体から出る汗が一番条件がヒットしますので、汗をよくかいたりする方なんかは部分によってはかなりエイジングが進みやすくなります。

つまり人によってはエイジング具合が変わってくるということがここで言えます。

それではせっかくなので物の方をお見せしながらお話をしていきたいと思います。

エイジングの進んだ時計の実物を紹介

それではいくつか見せていきたいと思います。

まずこちら、シュトゥルマンスキーのガガーリンのブロンズモデル。

もう既に若干色の変化が始まっております。

本当にブロンズというのはデリケートな素材で組み立て時に職人の指なんかが触れてしまうとそれだけで色が変色します。

なので組み立て時に手袋は必須です。

手袋がないと変に色が変化してしまうので、またできる限り空気中にも長く触れてはいけないのでよく密閉されてきたりします。

このガガーリンに関しては裏蓋までブロンズなのでものすごいスピードで変化していきます。

本当にこの時の顔は今しかないっていうような感じですね。

かなりヴィンテージ感のある時計に仕上がります。

でお次はこちら。
オリスのビッグクラウン。

80周年モデルの時にこちらの革ベルトタイプが出たんですけれども、最近ではこのブロンズのブレスレットまでが付属します。

もちろんブレスレットまでブロンズなのでかなりの変色が期待できると言えるでしょう。

裏面はちなみにシースルーバックになっていてステンレスの裏蓋が付いています。

なので、少し肌が弱い方なんかもこちらで言う風にステンレスの方が影響は少ないんじゃないかと思います。

どうしてもリューズだけ触れてしまうんですけど尾錠まですべてがブロンズと。

一年使えばたぶんだいぶ表情変わるんじゃないかなと言える時計です。

で、お次がこちら。ブランドというよりは試しに僕が買ってみたブロンズのケースになります。

もちろん新品なのでこんな色合いです。

ではこれを使ってみるとどうなるのかこちらについてお見せしたいと思います。

僕が約10日ほど使ってみたものがこちら。

もうすでに緑青はパーンと出てすごい長年使ってきた風合いになりました。

ちなみにこれで10日間です。

しかしながらせっかくなんでエイジングを楽しみたいといいますか、エイジングした姿をお見せしたいなと思いまして、わざと塩水とか塗ってみました。

綿棒に塩水を含ませて塗ると、乾燥したらこんな感じに変わってきます。

で、しょっちゅう人の肌に触れる部分は緑青は起きにくいです。

ですが、こういう風に隅っこの端のところなんかはしっかり緑青しています。

かなりヴィンテージ感ありますよね。

こちらとこちらは同じケースとはなかなか思いにくいような、これだけ変化します。

もちろんそのまま使っても追々このような色に変化をしてくるんですが、よく海水とかに使ったりして海水に濡らしたりとかそういう感じでも外に出してそのまま放置しておくとこのような感じになります。

太陽光なんかに若干当たったりしているとすごく乾燥しますので、乾燥したらこの緑青が出てきます。

ちなみにまたこれを水で洗ったりするとこの緑青っていうのはなくなりますが、ブロンズの素材自体はそのままでどんどん黒ずんでいきます。

なかなか面白い色合いなのでこれからどう変化していくのか今も楽しみな時計になってきています。

最後に

いかがでしたか。あのようにエイジングするんですが、僕もどんなになるのかなっていうのが気になってまして、お客様から写真を見せてもらったりとか自分で買おうかなと思ってたんですけれども、まあそれなら一本作ってみようと思って試しに組んでみた時計があちらでした。

あのような感じで緑青していくのでかなり年季が入った時計と見る人の印象を与えるかなと思います。

このまとめとしてエイジングというのはその人独自のものとなります。

あれと同じ、僕が使った時計と全く同じものにはなかなかならないです。

もちろん使用する環境とかやり方によって僕みたいに塩水を塗る方なんかはより早くエイジングしますし、全く塗らずにそのまま使っていると十円玉のように徐々に変化していくという感じです。

まるで指紋のような感じでエイジングしていく時計っていうのはとても魅力的で面白みがあります。

やっぱりこう自分だけのものというか見ればこれ自分の時計だって分かるような色々変化していくブロンズというのは育てる楽しみがある時計です。

着用する楽しみもありますし、人にこうわざわざしゃべって教えたくなるっていうのもブロンズの魅力かなと思います。

ちなみに色を戻したいと、やっぱりこんな鈍い色というか思った色じゃなくなってしまったなみたいな感じで少し色を戻したいなと思った場合は重曹を使うことによって元の色を出すことができます。

ただし全く元の状態に戻すことはできないので、部分的にこの面積が広い部分とかそういったところの色合いを戻すことができるので試してみる価値はあるのかなと思います。