初めての懐中時計で、アンティークのポケットウォッチをおすすめしない理由について

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ウォッチバイヤー 専務こと合田圭四郎です。
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今週の時計に関する日曜日勉強会は

初めての懐中時計で、アンティークのポケットウォッチをおすすめしない理由について

今回の動画は、「初めての懐中時計でアンティークはお勧めしない理由」
こちらについてお話をしていきたいと思います。

正美堂時計店では古くから長らく懐中時計の専門店としても販売をしてきていますが、もちろん多種多様なお客様で今から懐中時計を使うという初心者の方からもお問い合わせを頂いたりすることがあります。

最近では19セイコー、たまにはロンジンの中古のタイプなども扱っていますので、そういったタイプは大丈夫でしょうかという風にお問い合わせを頂いたりします。

その場合、アンティーク系はお勧めしません。
中古の場合は別です。中古のロンジンは別なんですけれども、アンティークをお勧めしない理由が実はあるんです。

それはなぜかという所を話していきたいと思いますが、まず初めて懐中時計をこれから持つ方に機械式懐中時計の扱い方を知って頂きたいんです。

現行品とアンティークの違い

現行品というのは現代に合わせた作り方、アンティークとかヴィンテージに関しては数十年から数百年前というレベルの話になってきますので、もちろんこの現代の基準が想定されていません。

つまり全然違う時代、もちろんスマホもないし電化製品もない、またまたノートパソコンとかパソコン自体も場合によっては使われてなかった時代となりますので
環境がそもそも違うんです。そういった時代と使い方が同じなわけはが実はなくて、もちろん古いものの方はデリケートとなってしまうんです。

どういったところがデリケートかという所を今からお見せしていきたいと思います。

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こちらに3つのタイプの時計を用意しています。

意外に時計に対して重要なのが「耐震機構」という部分があり、初めて時計を持つ方っていうのはもちろんこの知識は無いのでこのお話をさせて頂いてます。

まず現行のもの、こちらも時計初心者でも安心して使って頂けます。
なぜかというとこの内部に使われている「ユニタス」という機械には耐震機構が備わっています。

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「インカブロック」とも言いますけれども、この耐震機構が備わっていることによって衝撃を逃す仕組みになっているんです。
衝撃を逃すことによって時計が一瞬で壊れてしまわないような構造になっています。

もちろん壊れないわけではありません。しかし耐震機構が備わっていることによってショックを外部へ逃がす仕組みがこの中では設けられているんです。

こちらも中古品のロンジンなんですけれども、こちらも中身に使われているのは現行の懐中時計の機械なので新品と同じカテゴリーになります。

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違ってくるのはこちら、19セイコーです。
ちなみに昭和41年のタイプになるんですけれども、裏蓋を開けると綺麗な機械なんですけれどもここには耐震機構はありません。

この受け石にある所の形を見るとだいたい判断がつくわけなんですけれども、耐震機構が使われていないことによって歯車を抑えている上下の受け石がきっちり押さえつけられているわけです。

押さえつけていることによって正確に動くわけなんですけれども、例えば外部のショックや落としてしまったりとかそういった時にこのショックが逃げないんですね。
逃げないことによって内部の天真が折れてしまう。天真が折れると時計も動きませんので、これを交換するまで不動の状態となってしまうんですね。

なのでこの耐震機構が備わっているか、備わっていないかというのはとても大事な所なんです。

「耐震機構」のある時計をお勧めする理由

耐震機構は結構重要でして、やはり初めて時計を持つ方というのは落としてしまうリスクもあるわけですし、ぶつけてしまう可能性も高いので、古い時計よりは現行のムーブメントをお勧めしています。

一つの例として、これは僕の体験なんですが、かなり前に19セイコーを手に入れて機械を見てみたいと自分で思ったわけです。
その頃は一切中を見ることもほとんどなかったわけなんですが、自分で裏蓋を開いて中身を見たいと思ったわけです。

急に思い立ってやろうかなと思った時に裏蓋がスムーズに開いてくれず、何とかしなければいけないなと金槌で裏蓋を軽くトントンと叩いたわけです。
蓋を開けると、すでに時計が止まってしまっていました。

これは何故かというと、叩いている衝撃で天真が折れてしまっていたのです。
さっきまで動いていたのに止まったのでゼンマイを巻こうにも、ゼンマイはフルに巻いています。
もうその時点でこの時計は壊れてしまいました。

天心の交換で結構かかってしまいましたが、こういった痛い思いをした経験もあって、お店で勧める時は絶対に新品の方を先に勧めているんです。

やはり持つことは個人の自由なのですが、高い修理代で高い勉強賃をわざわざ体験して頂かなくても、自分たちがそれを伝えることによって回避できたらいいなというところで、基本的には耐震機構付きの時計を先にお勧めさせて頂いてます。

鎖、チェーンの必要性

やっぱり最初に持つ時は知識とか余裕も全部ないわけです。例えばその一つが「鎖」です。
チェーンを着ける習慣がない、つまり裸で時計持つことによってポロっと落としてしまうことっていうのはよくある話なんですね。

まぁ以前だったら洗濯機に入れてしまうっていうことあるんですけれども、この時計をポケットから外してちゃんと収納するという習慣もないかもしれませんし、チェーンをきちんとつけて管理する習慣もないかもしれません。

これがですね、時計を長く持つことによって慣れてきます。
慣れてくることによってきちんと、ズボンなどに時計を下げる時も鎖やチェーン紐いったものをきちんとつけている習慣がついてくるわけです。

そうなってくると上から落としても地面に落下する前にチェーンが止めてくれますので、体に当たってショックを与える可能性がありますが、まだ人体とかですともっと柔らかいのでそんなに強い衝撃は入らないんです。

もう地面に落下するとアウトなので、そういった習慣がつくまではできる限り現行の時計を使って頂いて、慣れた上でその魅力がわかってくるとアンティークとかヴィンテージのように古いものを楽しんで頂く様におすすめさせて頂いているんです。

なので練習台も兼ねて現行の機械式時計を使った上でアンティーク、ヴィンテージにチャレンジして頂ければなというところが今回の話でした。
なので正美堂時計店では最初の初めて持つ懐中時計でアンティークやヴィンテージはお勧めしていませんというお話でした。

今から懐中時計を持つ方もどんどん増えてきています。
やっぱ同い年ウォッチっていうものを手に入れる方も多くなってきます。

それはすなわち古いものしか手に入らないので、これを知った上でぜひチャレンジしていただければと思います。



正美堂時計店は、時計知識を深めるため、お客様に正しい情報をお伝えするため、週1度時計に関する勉強会を行っております。
また、新商品入荷など、ライブ配信にて情報をお届けしております。
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