いつも正美堂時計店(ショウビドウ)をご覧いただき 誠にありがとうございます。 https://www.youtube.com/user/syohbido0512
ウォッチバイヤー 専務こと合田圭四郎です。
Thank you for watching.
今回のYoutube日曜日勉強は
「時計に関するQ&A」です。
今回もYouTubeのコメント欄などから時計に関してご質問いただいておりますので、ピックアップして回答をさせていただきます。
少しでも参考になれば幸いです。よろしくお願いします。
【質問1】これって・・稼働時間が縮まるのでは?
【質問】秒針のエネルギーを使ってクロノグラフ秒針を動かしているということは・・パワーリザーブが短くなる(?)
稼働時間が縮まるということでしょうか?
※こちらはクロノグラフの動画に対してのご質問です。
↓過去動画「クロノグラフでやってはいけないこと」
【合田の回答】ほとんど変わりはありません。
【解説】機械式クロノグラフというのは、4番車という秒針の車があるんですが、クロノグラフをスタートするとその4番車にクロノグラフ機能が組み合わさって連動して時間を計測する仕組みになっています。
4番車にクロノグラフ機能が乗っかかるということはパワーリザーブが短くなるか?ということなんですが、答えとしてはほとんど変わりはありません。
ですが、クロノグラフの機能で問題が出てくるとすれば、重くなってくるということです。
本来の秒針より重くなるので負荷がかかります。
つまり、ずっとクロノグラフ機能を動かしっぱなしにすると、時計に負担がかかってくるので時刻を計測する時以外はクロノグラフは作動しないほうがいいと説明をさせてもらっています。
稼働時間に関してはほとんど影響ないんですが、やはり内部の負荷が増えるということなので必要な時以外はクロノグラフ機能は作動させずに置いておきましょう。というのが回答となります。
【質問2】これって・・無駄に摩耗を進めてしまうのでは?
【質問】手巻きについて教えてください。
手巻き時計を週一でつける場合は前日に巻く程度で良いのでしょうか?
今のところ楽しくて毎日巻いております。
(自動巻きをずっとワインディングマシーンにかけているように、
無駄に摩耗を進めてしまうことに繋がるのでしょうか?)
【合田の回答】正解な使い方です!
【解説】手巻き時計はパワーリザーブが大体40時間ぐらいでユニタスであるんですが、ゼンマイというのは満タンに巻かれてるのが一番良い状態。で、適度にほどけて、またしっかり巻く・・これを繰り返すことによって良い状態がキープされます。
つまりこの機械式時計手巻き式の場合は、朝の8時に巻くのであれば、翌日も同じ時間帯に巻いていただくのが一番良い状態をキープする方法となります。
巻く時間帯がランダムであったり、巻きすぎは良くないです。巻きすぎは磨耗につながります。ゼンマイは適度にほどけたら、しっかり巻くということは守っていただきたいなと思います。
毎日巻いていただくことは全然正解です。タイムリーに巻きすぎるのはNGで、24時間ごとに巻いていただければと思います。
【質問3】これって・・ムーブメントの移植は可能?
【質問】質問失礼いたします。
自宅にムーブメント自体が壊れた3針のクォーツ式腕時計がありますが、
全く別の3針用クォーツムーブメントを移植することは可能でしょうか?
【合田の回答】可能です!ですが条件があります。
【解説】可能ではありますが、同じキャリバーか全く同じサイズのキャリバーであることが前提となります。ではないと、正しく時計が作動してくれません。
その前にサイズが違う場合は内部にムーブメント自体が収まりません。
※キャリバー・・・ムーブメントの同一性を表す型式名称
あとご自身でやる場合は、初めてやる場合は特にかなりハードルが高いので、やはり餅は餅屋で専門家にお任せすることをお勧めします。自分でもでなかなか最初は難しかったので・・・(笑)ムーブメントの移植は可能ですが簡単ではありません。
【質問4】これって・・何時でもカレンダー合わせしていいのでは?
【質問】カレンダーを合わす場合、面倒かもですがカレンダーはそのままで針だけを動かしていくなら何時でもカレンダーは合わせていいと思うのですが?
【合田の回答】いつでもカレンダーを操作していいわけではないです。
【解説】カレンダー操作をしてはいけない時間帯が決まっています。
当店では午後8時から午前4時はカレンダー操作をしてはいけない時間帯としております。
なぜかと言いますと、この時間帯は実は時計の内部でカレンダーが動こうと既に機械が動いています。
そこを無理矢理カレンダー操作してしまうと、内部の機械に負荷がかかってしまうのでカレンダー操作はしないようにご説明させていただいております。
いつでもカレンダーを操作していいわけではないです。
この操作禁止時間帯というのはリアルな時間ではなく、時計が指している時間のことです。
午後8時~午前4時の時間帯以外であればカレンダー操作は可能です。
↓過去動画「やってはいけないカレンダー合わせ方法」
回答は以上となります。
このように、引き続き時計についての疑問や質問などまだまだ募集しておりますのでコメント欄などから投稿ください。
では今回の日曜日勉強会は以上となります。
正美堂時計店 ウォッチバイヤー兼時計修理三級技能士 合田圭四郎
主な専門分野
腕時計や懐中時計の仕入れ、販売、オリジナルウォッチのデザインや組み立て。スイスで開催されていた世界の見本市バーゼルワールドや香港ウォッチフェアーなど国内外の展示会への参加。秋葉原にて毎年懐中時計の展示会を開催
時計知識を深めお客様に時計の魅力をお伝えするため、2009年より毎週日曜日YouTubeにて時計に関する勉強会動画を配信。
背景
1979年、高知県高知市の老舗呉服屋の四男として誕生。時計好きが高じて2006年より正美堂時計店に入社。フライトジャケットやジーンズなどアメカジ、バイクをこよなく愛する。あらゆるお客様の環境を理解するため、腕時計は常に左右両方に着用。2019年、正美堂時計店創業50周年の節目の年に正美堂オリジナルウォッチを開発。
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