川端康成が愛用したリバーサイド

1850年にアメリカで創業した時計ブランドのウォルサム。大量生産でありながらスイス製並に高品質を追求した今はなき老舗ブランド。

ムーブメントにはグレードがあり、一部のハイクラスモデルにはペットネームがついていたりします。

数あるモデルの中でも有名なのがリバーサイド。maximus (マキシマ)というさらに上級モデルも存在するムーブメントで、1899年生まれの小説家である川端康成がリバーサイドを見て「川(リバー)端(サイド)」は自分のことだと気に入り、編集者など周りの人に見せていたのは有名な話。

残念ながらウォルサムはブランド自体が消滅してしまったが、リバーサイドは後世に残る、いや残すべき時計と言えるでしょう。

1907年生まれのこの時計は、ひとたびゼンマイを巻き上げるととても117歳とは思えないほど元気に動いてくれます。もちろん、技能士がしっかりと整備したおかげなのは言うまでもありません。

時計が奏でるロービートを聴きながら、自分が生まれていなかった100年以上前の当時に思いを馳せる。これぞ現行の時計では味わうことのできない、アンティークウォッチならではの贅沢な時間の楽しみ方と言えるでしょう。

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