『蒔絵』の歴史は遥か遠く、飛鳥の時代にまでさかのぼり、正倉院御物「金銀細荘唐大刀」等にその証が現存する日本古来の技法です。
漆の地に金・銀・スズ粉・色粉等を蒔きつけて仕上げる漆工芸加飾法『蒔絵』は、平安時代の室内調度品や寺院内部の装飾として重きをなし、今日に至る礎を築きました。そして室町中期には、基本技法のほとんどが完成したといわれています。 文箱や硯箱、筆といった文具の祖に『蒔絵』をほどこし、芸術性を高めていきました。
『蒔絵』、それはいつも身近においてその美しさと触れあっていたい日本の美、伝統工芸の精華にほかなりません。
現存する最古の輪島塗は河井町にある「重蔵権現本殿の朱塗扉」で、室町時代の大永4(1524)年の作といわれています。漆器の技法そのものは縄文時代にまでさかのぼることができ、創意を重ね、技を磨き、常に進化と深化を続けてきたのです。
例えば、「輪島地の粉」の発見。これ珪藻土の一種を焼いて粉末にしたもので、漆に混ぜることで頑丈な下地が作れるようになりました。弱くなりがちな所に布をかぶせる「布着せ」という手法も生み出されました。こうして、輪島塗ならではの「優美さと堅牢さ」を支える、本堅地法と呼ばれる工法が完成したのです。
江戸時代に入り、享保年間には沈金の技術が確立、さらに文化文政の頃には蒔絵の技術が伝わり、「暮らしの中で使う道具であると同時に、一つの芸術でもある」という輪島塗ならではの価値が確立されてきたのです。
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