時計を持つにあたって、見た目はすごく大切です。
店頭に展示していなく、メーカーのカタログでしか確認していないモデルなど、実物と比べ違和感をおぼえる時計が存在します。
当店ではインターネットでも時計を販売しているのですが、できるだけ臨場感ある情報をお伝えできればと、社内で撮影することを心がけています。
これは時計のスペックをきちんと理解するという意味でも行っていて、入荷したら実物を撮影します。
撮影時にファインダーを時計に向けると、仕入れる前に見た情報とイメージが違っていたりする場合があるのです。
カタログに使われているメーカー画像は、元々は撮影された画像がベースにはなっているのですが、後の加工によりまるでCGのように仕上がっているものなどよく見かけます。
そのほうが見栄えはいいと思いますが、やはり現物とはかけ離れたイメージになっていまい、いざ時計が入荷したら違う印象であった、という事に気づきます。
また撮影時に気づくことが、針やインデックスなどポリッシュ仕上げになっていることです。もちろんポリッシュ仕上げは色が反射してきらびやかに見えるので、高級感も加わって時計の見栄えを良くしてくれます。
しかし鏡面仕上げは、見る角度によって全然違う印象を受けたり、場合によっては誤認してしまう可能性があります。
実用性の高い時計とは、装飾性よりも視認性など実用面が優先されているので、反射の少ないマットな仕上げ、黒い文字盤に真っ白い針や文字など、少し地味な印象を受けるのです。
ダイバーズウォッチやパイロットウォッチは視認性の高さは重要な要素なので、実用的なモデルほど見やすく仕上げられています。
鏡面仕上げのパーツを多用しているダイバーズウォッチはとても多く、個人的には視認性よりも過剰なほどの防水性能の方が目立っている気もします。
もちろんある程度の防水性は必要で、水中で気圧に変化により破損したり機能しなくなる時計は実用的と言えません。
ちなみにダイバーズウォッチの基準としては、ISO(国際基準)、JIS(国内基準)では視認性に対し、明るい場所と暗い場所の両方で、25cm離れた場所から目視で時刻が確認できるかが基準になっているようです。
あくまで個人的な意見ですが、文字盤がシルバーカラーで鏡面のインデックス、針を採用している時計はダイバーズウォッチであれパイロットウォッチであれ、お世辞にも見やすいとは言えません。
こういった条件の時計は、撮影時にかならずブランドのカタログやホームページのイメージと全然違う印象を受けます。写真で違和感なく撮影しやすいモデルほど、いかなる環境でも同じように確認できる、つまり視認性が高いことになります。
時計を手にとって確認するとき、近くにある電球にかざし色んな角度から見てみることで、その時計の視認性を少しでも肌で感じることができます。
時計を選ぶ際に、実用性が高いモデルを選びたいのであれば、ブランドのカタログやホームページ画像だけを頼りにすると、せっかく購入したのにイメージと違っていた、ということになりかねません。
バイクでツーリングに出かけるとき、あまりポリッシュ仕上げのパーツを多用している時計は選ばないようにしています。
なぜなら、鏡面は色合いなど周りの環境に影響されやすく、太陽がくっきりと出ている真夏日などは無意味に熱を帯びてしまうなど影響されやすく、時と場合によりすごく使いにくいのです。
当店ではできる限り時計を自社内部で撮影しホームページに掲載するようにしています。メーカーカタログはもちろん綺麗なんですが、やはり実物を見た感じとはかけ離れているので、できる限り近い感覚を持っていただければと考えています。
バイヤー:合田圭四郎