時計の本場でないアメリカで、本場スイスよりも量産型時計の開発に成功したウォルサム。それまでの時計技術士が製造していた時代では、もちろん職人による技術の差はさることながら、同じ職人が製作しても個体差があって当然でした。
ウォルサムはいち早くそこに目をつけ、部品を規格化してしまい均一な仕上がりの時計を量産することに成功しています。月産1000本を超えた頃は、スイスで生産される一年分の時計に匹敵すると言われたほどです。
高品質を維持しながら大量生産に成功したウォルサムは、時計ブランドとして人気が高かったのです。
しかし全てのモデルが均一だったわけではなく、もちろん買いやすい低価格帯、それなりの選ばれる立場の人間が持つために生産された高価格帯といつくもの種類にわかれていました。
高級モデルのムーブメントにはそれなりのパーツが使われていて、ペットネームがつけられたりします。川端康成が自身の名前と同じだと言って気に入って愛用したことで有名なリバーサイドは、ウォルサムの中でも高級ラインで有名です。時計ではなく、ムーブメントにリバーサイドの名前がついていたのです。
きちんと時計のランクが別れたいたのにもかかわらず、ウォルサムは面白いことを実施していました。
現行のモデルを含め、ムーブメントにはシリアルナンバーが刻印されているのです。
これは製造される機械に刻印されていて、創業当初から変わらず続けられているのです。
番号の並びはランダムではなく、製造数と合わせられているのがブランドとしての誠実さが伝わる部分と言えるでしょう。
現行モデルでは5600万番台なので、今までそれほどの数が生産されているのです。
番号から調べることができるので、もちろんアンティークなど古いモデルが何年代に作られていたのかなど簡単に調べることができます。
しかしあくまでも調べることができるのはムーブメントのみとなります。なぜかというと、日本であれば第二次世界大戦中では、戦争の影響で物資が少なくなっており、時計の外側であるケースに使われる金など、供出(きょうしゅつ)しなければならなかったからです。
ケース素材として使われている金が供出し無くなってしまうので、代替の部品としてニッケルが多用されています。
時計の価値としては、この時点でケースが金無垢でなくなっているため下がってしまいます。なのでケースナンバーはあまり関係がなく、ムーブメントのシリアルナンバーが重要となります。
世に出ている数が多いブランドのため、よく故人の形見などでウォルサムの懐中時計が出てきたという話がありますが、インターネット上でも簡単に製造年数やスペックを調べることができます。
きちんとした品質管理にこだわっているブランドだからこそ、世紀をまたいでも安心して使うことができるのです。
アメリカ大統領であるリンカーンが愛用していたのもウォルサムであり、最近では1971年のアポロ15号の月探査では、オメガのスピードマスターが壊れてしまったためウォルサムが使用されていたという逸話もあります。
バイヤー:合田圭四郎
コメント失礼します!
ウォルサム maxim P6A0262 の時計を親父から貰って、結構古い物になると思うのですが、価値とかが分かると嬉しいです!!
誠に申し訳ございません。
当店では時計の販売が中心となっており、
鑑定等は専門外となっており、お取り扱いしておりません。
お手数をお掛けいたしますが、
鑑定等を行っている会社様へのお問い合わせをお勧めいたします。
よろしくお願いいたします。