サッカー選手が、ドイツへ入国時に申告漏れで34万円相当の時計を没収されたという記事を目にしました。
どこまで真実なのかはわかりませんが、その記事を見て自身の経験を思い出したのです。
2012年、世界中の時計が集まる見本市「バーゼルワールド」に行くためスイスを訪れた時の事です。
時計店という立場で、いろんなブースを訪れる以上は、そのブランドのCEOや現地マネージャーなど責任者クラスの方と会うことがあります。
その時に恥をかかないよう、自分が所有している時計を数本持って行き、該当するブランドの時計を着けていこうと考えていました。
時計を数本持って移動する事は滅多にしない(常時腕時計は2本着用してますが)けど、この時は紛失したくない気持ちもありカメラバッグに時計を入れ、そのバッグをスーツケースに入れて出発したのです。
チューリッヒ空港に到着し、入国審査を終え荷物を受け取り、空港から出ようとしていたらいきなり別室に連れて行かれました。
もちろん、何も行動に問題はないと思っていたので、初めて連れて行かれたことに唖然としたのを今でも忘れられません。
とりあえず荷物を開けるように言われ、スーツケースを開きカメラバッグを開けるよう指示されたのです。
恥ずかしながら英語を話すことができないので、こちらの言いたいこと、相手の言っていることはスムーズに伝わっていなかったと思いますが、とにかく時計に対して言っていることだけは理解できました。
不正に持ち込んだわけでもなく、私物なので主張し続けことで開放され事無きを得ましたが、場合によってはわけがわからないまま没収、なんという事もありえるとこの時実感しました。
本数がもっと多く、高級ブランドばかりだったらこんなに簡単に開放されなかったと思いますが、海外に行くときは必ず申請しておくべきだと思ったのです。
それ以来、海外には複数の時計を持ち込まないようにしているのですが、いきなり別室に連れて行かれるのはなかなか驚きます。
メーカーの方が修理品をスイス内に持ち込んだ時に、今回のように別室に連れて行かれ高額な税金を払わされたと言っていましたが、思ってもないところでこういうことはあり得ます。
噂でヨーロッパの空港ではこういう事を繰り返して収入を得ている税関職員がいると聞いたことがありますが、特別不正をしたわけでもないのに罰金を請求される、というのはとても気分の悪い話です。
海外旅行や出張の場合、持っていく荷物の確認と必要ならば申請をしておく必要があると思いました。
語学が堪能な人なら、行き先の空港で問い合わせることができると思いますが、そうでない方は日本国内で出国前に税関へ問い合わせておくことを強くおすすめします。
バイヤー:合田圭四郎