2013年モデルのオリスを語る上で、絶対に外せないモデルがダイバーズウォッチの主力シリーズである、アクイスのデプスゲージです。
オリスは時計の新機能への商品開発に惜しみなく技術を投資しているブランドで、以前から独自で開発した技術が世界中で高く評価されています。
ダイバーズウォッチの基本的な機能として、多くの時計に採用されている機能、ベルト、ブレスレットを延長するエクステンション機能。ほとんどのブランドでは、ブレスレットの一部が折り込まれていて引っ張ることによりベルトを延長し、ウェットスーツの上などからでも着用可能にしている機能です。
折り込んで収納しているだけに、通常のブレスレット部分とは形状が異なり、薄型な金属を使用しているので、車でいうところのスペアタイヤのような補助的なものの印象がとても強く、常時延長したまま使う事はとてもおすすめできない部分となります。
オリスの技術はこういう部分にも惜しみなく注がれているのがとても嬉しいです。ダイバーズモデルは金属のブレスレットタイプとラバーベルトが基本となるのですが、まずブレスレットの方は他ブランドと比べてもそこまで大きな違いはありません。
エクステンション部分はけっこう肉厚な仕上がりになっていますが。
特徴的なのはラバーベルトのタイプで、通常折り込まれて収納されているエクステンション部分は金属を使っているわけでなく、延長部分も通常のベルト部分と同じ素材であるラバーが出てきます。
どういう仕組みなのか?実は尾錠の脇にあるボタンを押しながら引き出すだけで、簡単にベルトが延長できる仕組みになっているのです。
ダイバーズウォッチは、ダイビングを前提としている時計なので本来の時刻表示とは別に時刻を計測できる必要があります。
逆回転防止ベゼルとは、ダイビング開始時から時刻を計測する機能なのですが、読んで字のごとく時計回りではなく、反時計回りで作動します。これは誤作動を防ぐための機能なのですが、オリスはさらに誤作動防止の機能を強化したベゼルを開発しています。
ローテーションセーフティ・システムといい、独特の構造でベゼルを一旦引き上げないと空回りする仕組みになっています。引き出し、反時計回りに回すと動く仕組みで、イタリアの特殊部隊が認めた時計にも同じシステムが採用されています。
独自に開発を続けているオリスが、2013年に発表したモデルがアクイスのデプスゲージというモデルなのですが、世界で初めて、アナログ時計なのに潜水中の深度を計測する、という機能を備えています。
インナーベゼル部分には穴が開いていて、水に潜るとこの穴から水が侵入し、目盛りとなって何メートル潜っているのかを表示してくれる機能なのです。
特徴としては、通常より50%も厚くなった特殊なサファイアクリスタルをつかっており、ボイル-マリオットの法則を用いて専用設計された特殊な目盛りで水深を表示する、という機能なのです。
水深が測れる事だけにとらわれず、本体は50気圧(500m)防水と充分なハイスペックに仕上げられており、本格的なダイバーズウォッチとして使用することができます。
デプスゲージの開発情報自体は、海外サイトを経て知っていたのですが、当時は予定されていた価格が日本円で40万円以上となっておりましたが、世界的にオリスの代表モデルとしての位置づけになるらしく、少しリーズナブルな価格設定になっております。
バイヤー:合田圭四郎