ティソの160周年にラインアップされたムーブメントのパワーマティック80。
その名の通り最大80時間駆動するロングパワーリザーブムーブメントで、あらゆる3針タイプの時計で採用されると言われています。
パワーマティックはシースルーバックに仕上げられているものが多いのですが、裏面からムーブメントを見ていると、何やら外のムーブメントとは違う印象を受けます。
じっくり外のものと見比べていると、よく見たらパワーマティック80には緩急針がないのです。緩急針とは、時計の進度を調整できる部分で、少々の進み、遅れなどはここを調整して日差の調整をします。
しかしパワーマティック80には緩急針がない。これがどういう事かというと、当店などの小売店では調整が不可能だということです。
パワーマティック搭載のモデルには、スイスでも最も厳しいとされる基準のC.O.S.Cクロノメーターをクリアしているモデルもあります。
もちろん厳しい基準をクリアしているので、±20秒以内という通常の基準以上の仕上がりとなっています。
当店では、入荷時点で精度を必ず計測します。
計測し、基準に合わないものはメーカーに再度調整してもらうか、商品の交換を依頼しています。
もちろん、緩急針を調整して済むものに関しては、当店の技能士が調整しています。
※防水性の高いケースは無理に行わず、メーカーへ依頼しています。
しかし、パワーマティックに関しては、調整が不可能なので完全にメーカーへ返送しています。当店では調整できないので、こうするしかありません。
故に、当店に在庫しているパワーマティックに関しては、きちんと検品に通っているものなので、自信を持って調子の良いモデルが並んでいます。
単に入荷したものを並べているだけの店なら、購入後調子が悪いという事があり得てしまいます。
しかし調整ができないので、店側としてもごまかしようがありません。
もちろん、機械ものなので保管中に異常をきたすものもあります。
なのでパワーマティック80を買う場合、店側の対応など購入後の対応など安心できるお店で購入する必要があります。
並行など、日本の輸入代理店を通してないお店の場合、修理や対応にかなりの時間を要すると思われます。
ぜひ特徴あるムーブメントの場合は、正規店などできるだけ質の高い店をおすすめします。
バイヤー:合田圭四郎