写真はティソのCason自動巻きで、2013年発売モデルのパワーマティック搭載モデルです。
カタログでこのモデルを見ていたら、あまり何も感じないくらい普通な時計だったけど、実際に見てみるとおもしろい仕上がりになっています。
特別な書体は使わず、王道のローマン数字文字盤を使い、針は真っ黒ではなく(文章では説明しづらいですが)、少し色あせたような風合いになっています。まるでアンティークのようなデザインになっており、現行のパワーマティック搭載モデルの中では昔ながらのレトロ感あふれる時計に仕上げられています。
よく見ると文字盤がダブルサンクになっており、段差ができているので光の角度で少し影ができるというこのデザインは、王道のスイス時計というよりは、鉄道時計によく採用されています。
アメリカを象徴する個性として現在に残るアンティークなどにも採用されている事が多く、ウォルサムのアンティーク鉄道時計などにもこのダブルサンクの文字盤を見たことがあります。
現在は比較的自由に文字盤などレイアウトできますが、昔の技術だと段差をつけるだけでけっこうな技術を必要としたと思います。
完全に昔を復刻したわけではなく、よく見ると3時方向にデイトカレンダーを配置するなど、現行の時計としてのスペックは保たれているので、日常使いにとても向いています。
鏡面仕上げで高級感のあるケース、茶色に変更しても違和感がないブラックの革ベルトなど、スーツに合わせやすいモデルです。
バイヤー:合田圭四郎