時計の針やムーブメントに使われているネジには、よくブルーカラーのタイプが使われています。
なぜブルーなのだろう?と疑問に感じたものですが、これにはきちんとした理由があります。
よく「ブルースチール」や「青焼き」と言われる通り、焼いています。
塗料を使いブルーカラーに染めているのではなく、針を焼いて青い色に仕上げているのです。
ちなみに、1990年の映画で「ブルースチール」という作品があります。
もちろん時計には関係ないのですが、ここで意味しているのは銃の表面処理でブルースチールを用いている、という事なのです。
少し青っぽく光るのが特徴で、銅を酸化焼入処理しています。
錆を防ぐ効果があり、銃の表面をコーティングしているのです。
ホビーショップなどに行くと、ブルースチール仕上げにできるスプレーを販売していますが、プラスチックの表面を塗装することにより、実物の金属に近い見た目に仕上げるものです。
もちろんこれは見た目だけの効果で、実際に錆を防いでくれる効果はありません。
よくバイクや車のマフラーなんかでも、エキパイ部分が熱で青く変色しているものがあります。
もちろん見た目の美しさに一役買っているのもありますが、目的としては銃と同じで錆を防ぐためです。時計の最大の敵である、錆で劣化を防ぐために施す加工なのですが、劣化しにくいという理由でなく、見た目でブルースチールを探す方もいます。
ムーブメント部分では、よくネジなどに使われることが多く、文字盤では針に使われます。インターネットに掲載するため写真を撮影しているのですが、撮影時にブルースチール部分を強調しないと、ただの黒っぽい色の針に写ってしまいます。
ご来店いただき実物を見ると、光にかざした時ブルースチールの美しさを気に入るお客様もいます。
露骨に青を強調するのではなく、よく見ると青く見える、という控えめな部分が時計好きな方に人気があるのだと思います。
バイヤー:合田圭四郎