腕時計は、着用し続ける限り無意識に小傷がついてしまいます。使い古した時計など、その人特有の傷などがつき、購入当初とは違った表情を見せてくれます。
ここは好き嫌いが別れるところなのですが、時計が自分専用に馴染み変化してくれているようでいい、とプラスに感じてくれる方にはいいんです。が、やはり傷はあまり目立つとただのボロい時計としか周りに映りません。
長く大切に扱う場合、たまに洗車をするように磨いてあげる事も愛用する上で必要なメンテナンスとなります。
まるで新品の状態のように、綺麗な状態に戻すことはなかなか難しいのですが、ある程度の小傷は消すことができます。ここでタイプが別れるのですが、反射の少なく、艶のないマットな仕上げ(ヘアライン仕上げとも呼びます)と鏡面仕上げが大きく分けると存在します。
マットなタイプは基本的に小キズが目立ちにくく、磨いてもそこまで変化は感じられません。しかし鏡面仕上げは変化を実感できます。
特に小傷に関しては、アモールというポリッシングペーストを使って磨くことにより、想像以上に小傷を消すことができるのです。
時計本体はもちろん傷つきますが、何より傷がつきやすいのはブレスレット部分になります。デスクに座って仕事をしている時など、文字盤があるケース側よりもブレスレットの方が机に接触する機会が多いからです。
かなり使用している感じの時計でも、アンティークショップに並んでいる時計は結構綺麗に磨かれています。しかし、なにもせず放ったらかしている時計は垢だか汚れだか判別できないような、他人であれば触るのも少し抵抗があるほど風化している場合があります。
大切なコレクションだからこそ、たまに磨いてあげる事で少しでも見た目が良くなります。綺麗な時計は、まるで購入してそんなに時間が経っていないような若々しさを取り戻します。
長く使う時計だからこそ、クリーナーなどを使いたまに磨くだけで大切に使い続けたくなります。
バイヤー:合田圭四郎