ジーンズ右側の前ポケットには、小さなポケットが付いている場合が多いです。
昔からジーンズが好きで、ビンテージものは高くて手が出なかったが、自分が履きこんでビンテージの風合いを出してみよう、と今まで何本も履いてきました(このこだわりは現在も続いてます)。今普通に流通している古着加工ではなく、購入後一度自分で洗濯してから購入した店に再度持ち込み裾上げをしてもらう必要があったのです。裾上げも単なるシングルステッチであれば量販店でもできるわけですが、鎖型になっているチェーンステッチが丈夫で好きなため、わざわざ購入店まで持ち込む必要があったのです。
一度洗う理由は生デニムのため縮みが激しく、裾上げをして洗濯するとどれくらい短くなるかわからいないため、乾燥機などで完全に縮ませてからでないと、裾上げをするのが不安だったのです。
時計とは話がそれますが、生デニムから履きこんだジーンズってオーナーの癖が露骨に出ます。座り方であったり、どんな生活環境か(フローリングなのか、畳なのかなど)など、生活が色落ちに反映されるのです。10代の頃からジーンズが好きで何本も履きこんできましたが、やはり自身の生活環境が出てます。趣味のバイクに乗れば乗るほど股にダメージが出てしまいます。
まあジーンズというものは、ダメージを楽しむものと思っています。最初の洗濯が終わり、履ける状態になったらあとはひたすら履き続けるのみです。
ところで、ジーンズのあまり使われない部分が、ウォッチポケットです(コインポケットとも呼ばれています)。タバコを吸っていた頃はZIPPOライターを愛用していたので、ジーンズのウォッチポケットには無条件でライターを入れていました。するといつの間にかポケットはライターの形に沿って色落ちしたのです。そして同じように懐中時計を入れ始めると、懐中時計の形にそって色落ちするのです。
昔本で見たビンテージジーンズを見ると、やはり実用的なポケットだったのか懐中時計の形が出ていたり、使いすぎて破けていたり、という姿を見かけます。せっかくついているポケットなのですから、ぜひ使ってみることをおすすめします。
もし懐中時計を使うときには注意があります。ウォッチポケットから取り出すとき、やってしまうのがチェーンや紐など時計本体ではない部分を引っ張り、時計を引っ張り出してしまうのです。実はこれ、リューズを囲っている金具にかなり負担がかかります。狭いポケットですが、取り出すときは必ず本体を掴んで出すことが間違いないです。
そういえばこのウォッチポケット部分、第二次世界大戦中のモデルを復刻したタイプなんかは当時のコストダウンを再現し、ポケットを固定しているリベットが無かったりします。実用するのなら結構大切な部分で、以前履いていたものではリベットが無かったため、すぐにほつれてしまいました。
懐中時計を入れるのであれば、しっかりリベットがついているタイプが安全です。
バイヤー:合田圭四郎