スイス製懐中時計用手巻き式ムーブメントといえば、オーガストレイモンド社が開発した名作キャリバー、unitas(ユニタス)。根本的な構造は1930年代にできており、1968年の登場から現代まで、ほぼ仕様変更されることなく生産され続けているロングセラームーブメント。
もともとは懐中時計用ということもあり、地板ひとつとってもサイズが大きいのが特徴で、過去にはパネライで使用されたことも有名です。ちなみに、品番の末尾に「-1」がある場合は、毎時18000振動とアンティークウォッチと同じくロービートで「-2」の場合は21600振動と仕様が異なる。「-2」の方がロングパワーリザーブで、後に誕生したカスタムモデルとなります。腕時計に使用されることが多いのですが、正美堂50周年記念モデルのスイスムーブメント仕様では、あえて「-1」を使用しています。
理由としては、古くからの時計らしさといえる、ロービートの音色を耳を通じ楽しんでいただきたいためです。パワーリザーブの長短はともかくとして、手巻き式時計はゼンマイを一日に一度、できる限り同じ時間帯に巻き上げることをおすすめしています。ロングパワーリザーブにはあえてこだわらず、カスタムされていないベーシックなムーブメントを、使いながらお楽しみいただきたくセレクトしています。もちろん、正美堂時計店にて精度の調整をおこなっており、アフターケアもおまかせいただけます。
時計初心者にも楽しんでいただきたく、リーズナブルな価格設定のアジアムーブメントタイプと比べ、スイスムーブメントモデルは、末永く愛用していただきたいという想いを込め製作しています。
文字盤には特別装飾をしていませんが、正美堂時計店で組み立てた証として、ムーブメントにはお店のロゴを刻印しており、他では手に入らない仕上げとなっています。
既存のブランド品とは異なる、時計本来の楽しみ方ができる時計。これこそが、正美堂時計店50周年モデルの最大の魅力なのです。
手作業なので大量生産はできませんが、一本一本心を込めて製作しています。
正美堂 合田圭四郎