機械式時計は、クォーツの時計と比べ、一日の誤差である「日差」があります。クォーツにも日差はあるんですが、一日に一秒もないため、よく月差で誤差の表記をします。
機械式時計をわかっていると、時間合わせの際に秒針は合わせません。合わせてもいいんですが、翌日には全然違う位置になってしまっているからです。
では、機械式時計の秒針は何のためにあるのか?
秒針というよりは、時計がきちんと動いているのかを証明するツールであると考えると、十分存在意義があるのです。
アナログの針は、時計回りに針が動くのですが、ユニークなタイプが多々存在します。オリスのアーティックスGTクロノグラフの秒針もユニークで、ゲージで秒針が表示される仕組みになっているのです。徐々に目盛に色が入っていき、満タンになるとゼロに戻ります。このゲージを見る限りでは、27秒など細かい単位は全くわかりません。
機械式時計にとって秒針とは、それぐらいざっくりとした認識でいいのです。
針で表示しないとなると全然違う機構なのかと思いきや、実は中身は色が入ったリングが回転しているので、もともとの構造は針と何ら変わらない、表示の方法が違っているだけ、というのも面白い部分です。