本物のプロになる

時計の仕事になり、あわただしい日常を過ごしあっという間に12年目となりました。

もともと時計が好きでしたが、最初は手巻きか自動巻きかの区別もつかず、初めて自分で手に入れた自動巻きのダイバーズは、防水とわかっていながらも、手放すまで水につけることすらありませんでした。

時計を知るにつれ、機械式時計の素晴らしさに魅了され、どんどんとのめり込んでいったのです。しかし自分は商人であるから、技術面のことはまるっきり見ていませんでした。もちろんムーブメントの種類などは今でも勉強中ですが、分解などチャレンジすらしていなかったのです。

店頭でたまに電池交換やブレスレットの調整はしていましたが、入荷した時計に問題があると、自分ではどうすることもできず、メーカーや当店の一級技能士である会長に頼りきりだったのです。

しかし、いつのまにやら会長も80代という高齢。今でも現役で頑張ってくれているので年齢を忘れていましたが、着実に年齢を重ねていたのです。

もちろんこの先も時計店として頑張っていく以上、修理が全くできないというわけにもいかず、いずれは通らなければ行けなかった道なのかもしれません。

東京や大阪はメーカーもあるし、次々と若い人材が育っていってますが、高知県のような田舎では新たに技能士になろうと思う人はほとんどいません。実際、国家試験ですらここ15年は開催されていないのが現実です。

近隣の時計店でも跡取りがおらず、廃業しているお店も少なからず出てきています。

「このままだと、高知から時計を修理できる人がいなくなる」

ここ数年何となく思っていましたが、これは現実の問題なのです。もちろん正規品を取り扱っていると、きちんとした技能士がいるメーカーにて対応はかのうですが、対応が遅れたり直接お話しをしていないので、どこか事務的な対応になってしまう。

このままではいけないと思い、今年は一大決心をし、徐々にですが技能の資格を取得することに決めました。30代と志す年齢には少し遅いかとは思いますが、本物のプロになるため頑張ります。

バイヤー:合田圭四郎

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本物のプロになる への2件のフィードバック

  1. 中島卓蔵 のコメント:

    いつの日か自分が思い描いている将来像に達して下さい☆
    畑は違えど同じ技術者として同じ30代として心から応援してます☆
    紆余曲折があるから技術を身に付ける事が楽しくなる☆
    いつかそう思える時までモガいてみましょう☆
    私は年中モガいてますが…(´-ω-`)
    合田さんも日常業務と並行しての修行は大変かもしれませんが、近くに偉大なお師匠もいらっしゃるわけですし、いつか正美堂さんも高知県の時計業界も引っ張っていけるくらいの方になって下さいね☆

    • syohbido のコメント:

      嬉しいコメントありがとうございます。
      技術者になるというのは、相当な専門知識が必要と覚悟しておりました。
      しかし今のところ、長年疑問に思っていた部分の答えがわかるような感覚で、楽しく学ばせていただいてます。
      今までメーカーに丸投げしていた部分が、自分がなんとかできるようになると思うと、未来の為に少しでも早く成長したい気持でいっぱいです。

      時計が好きである事が、自分自身にとって最も恵まれている部分だと思っており、紆余曲折も楽しめるのではないかとポジティブな気持です。環境にも恵まれているので、今のうちに学んでいきたいと思います。

      ありがとうございます。

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