再認識するアナログの魅力

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目覚まし時計やアラームの音と聞けば、多くの人が思い浮かべるのはビープ音やブザー音などの電子音、ジリリリと鳴り響く目覚まし時計の音となります。

今の時代では電子音が当たり前で、機械式はなかなか見ることがありません。腕時計ではレビュー・トーメンやバルカンが機械式アラームの「クリケット」を製造していました。

クリケットとは日本語にするとコオロギの事なのですが、これはアラーム機能を使ってみると理解できます。設定した時刻になると、内部にあるハンマーが機械を叩く構造になっていて、この音がまるでコオロギの鳴き声のようだということからクリケットと名付けられました。

内部でハンマーが時計を叩いているわけですから、音だけでなく振動も加わり、音が聞こえづらい環境でも振動でアラームに気づきます。電池を一切使用せず動くアラームなので、ゼンマイを巻き上げる必要がありますが、わざわざ巻いて使いたくなるほど愛着が湧いてきます。

電池式のアラームにいちいち感動することはありませんが、機械式アラームは人にわざわざ聞かせたいと思える機能の一つであると言えます。

複雑な構造なので結構な金額のモデルが多い中、ロシア製ウォッチのシュトゥルマンスキーは、6万円程度で機械式アラームが手に入ります。ソ連時代より国営であった、モスクワ第一時計工場で生産されていたデッドストックのムーブメントを使用していますが、このムーブメントは新たな生産がされておらず、今後は機械が無くなっていくので貴重な存在と言えるでしょう。

現行のデジタルや電池式時計にはない魅力が、機械式アラームでは楽しむことができるのです。

バイヤー:合田圭四郎

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