長く愛用したい時計を選ぶなら

  
スイスで生産される時計といえど千差万別で、ピンからキリまであらゆるものが存在します。最近では、いつのまにか中国産のムーブメントからスイスムーブメントに切り替え、そもそもスイス製であったかのような演出をするブランドも存在します。
別に否定をするわけではありません。資金力に乏しいブランドがチャレンジする一つの方法でもありますので。

ブランドとして周囲に認知されてくると、過去のモデルが注目されてくるわけですが、こういった場合変わった現象が起こる事があります。

時計としての価値は低いのに、現行では出ないモデルとして変な付加価値が付いてしまうのです。

名作と呼ばれるムーブメントや希少価値の高いパーツを使用した時計が高騰するのなら理解できますが、本来価値がそこまでないのにブランドネームが先走りして価値が上がってしまうというのは、不思議な現象と言えるでしょう。

反対に、価値が高いスペックのモデルであるにも関わらず、意外なほどリーズナブルな価格で手に入る時計も存在します。ブランドとしてあまり知られてない場合ももちろんありますが、老舗ブランドであるからこその低コストで生産数を増やし、思っているよりも低い価格設定を実現する場合があります。

いい時計と一口にいっても、人によって価値を感じる部分が全く異なります。
よくブランド優先で考えがちな方がいますが、いい時計を手にしたいと考えるならば、ブランドのみで判断するのは大変危険と言えるでしょう。

もちろんブランドは購入の判断材料として重要ですが、それだけではステータス感のみが価値となってしまいます。自分が本当に欲しい時計へたどり着こうと考えると「妥協の無いスペック→納得のいく価格→ブランド」という順番になることで、ブランドに縛られなくなり、欲しいと思える時計の選択肢が増えるのです。
選択肢が増えるという事は、今まで目もくれなかったモデルも先入観なしに見る事ができるようになるのです。フィルターをはずして見る事により、今まで見えてなかった意外ないい面を発見したりできます。

いつでも衝動買いできるファッションウォッチなど手軽なものであれば、直感に従えばいいだけですが、そんなに何度も購入する事はできないものであれば、慎重に選びたいところです。

例えば、ダイバーズウォッチを選ぶとしあた場合、どれくらいの防水性能なのか決めておきます。これをすることにより、オーバースペックを選ぶ必要が無くなるのです。本来不要な機能ほど使わないものはありません。そうなってしまってはせっかくの機能がかわいそうですし、不要に予算がかさんでしまいます。

そして予算にマッチしているかを検討します。いいスペックで想像を下回る予算だと、とてもお買い得に見えるものです。そして最後にブランドを検討します。歴史であったりアフターケアも問題なさそうであれば、それは購入すべき時計と言えるでしょう。

時計を販売する立場として、もちろん売れてくれると嬉しいわけですが、せっかくなので毎日使いたくなる、購入して本当によかったと思える時計に巡り合っていただきたいと考えています。

バイヤー:合田圭四郎

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