2015年発売予定で、ついにiWatchならぬAppleWatchが発表されましたね。
ここ数年ウェアラブル端末はGoogleグラスをはじめさまざまなものが発表されています。
香港のウォッチフェアでは、アンドロイド端末と連携する腕時計、いわゆるスマートウォッチが以前から発表されていましたが、単独で使うというよりはスマートフォンのリモコンのような役割で、スマートフォンでインストールしたアプリを時計に反映させ文字盤デザインを変更する、メールの受信を確認する、音楽の音量や曲を変更するなどの機能があります。単独で使用するよりも連携がメインなので、正直あまり革新的とはいえない機能ばかりであったと言えます。
今後どうなっていくかはわかりませんが、AppleWatchでは代金の支払いやホテルのドアを開閉する、など今までとは違う便利な機能が開発されるようです。
「時計業界の脅威になる」なんて記事を見ましたが、個人的な意見として、だからといって時計が世の中から無くなってしまうとは考えられません。昔であれば腕時計は実用品と捉えられていましたが、時刻を見るだけならすでに携帯電話が普及した時点で押されています。時計は、実用品としても使われていますが、装飾品であったり個性を演出するアイテムへと変化していったともとれます。
なので持つこと、使うことにステータス感や自己満足を感じるものとなっているので、今後どんな端末が出ようと、時計が世の中から消えてしまうことはないと言えるでしょう。
記事の内容でティソの2014年発表モデルであるT-touchソーラーの価格とAppleWatchの価格が比較されてました。
確かに、テクノロジーとしてはAppleWatchの方が多機能で便利なことこの上ないと思います。しかし、だからといって時計が衰退していくとは考えられません。
1970年代、セイコーがクォーツムーブメントを開発したことにより、時計業界では「クォーツショック」と呼ばれる革命がありました。それまで手巻き、自動巻きの機械式ムーブメントしか存在しなかった時計業界に、電池で動き機械式よりもはるかに精度の高いクォーツムーブメントは、時計の本場スイスで多くの失業者を生み出したと言われています。
その頃腕時計は現代よりも実用性の高い存在だったので、業界を震撼させるほど影響が起こりましたが、現代ではかなり機械式時計も見直され、アナログの良さを求める人が多くなっています。
もしスマートウォッチが進化して業界に多大な影響を与えるとすれば、時計ブランドが本格的にスマートウォッチの開発に乗り出す時と言えるでしょう。
例えば日本では知名度の高い、ロレックスやオメガがスマートウォッチをリリースすると、ある程度人気が出そうな気がします。本当の時計ファンは離れていくと思いますが。
時計と携帯電話の融合と言えば、数年前のバーゼル・ワールドで見たのは、確かタグ・ホイヤーの自動巻きムーブメントを搭載した携帯電話でした。自動巻きの腕時計と同じ仕組みで、振ることによりローターが回転し携帯電話が充電されるというものでした。
腕に装着する腕時計であれば、しょっちゅう角度や位置が変わるのでローターが動き自動的に巻き上げられていく仕組みは理解できるのですが、携帯電話の場合は懐中時計に似ていて、持っているだけではそんなに振られません。なのでなかなか充電されないだろうな、と当時ながらに感じたのをおぼえています。
しかも、時計のムーブメントの大きさなのでローターが回転して稼ぐ電力では携帯電話のバッテリー分は全くまかなえず、高級な機械式ムーブメントを搭載した携帯電話としか印象がありませんでした。
今後時計とウェアラブル端末がどれほど進化していくのかはわかりませんが、どちらにせよまだまだ発展途上のものでこれからが楽しみです。ちなみに、九龍島と香港島を結ぶフェリーの待合室では、腕時計の自販機なるものが設置されていました。しかも、オクトパスカード(suicaのようなもの)で購入できるようです。
これからも時計業界はおもしろく進化しそうです。
バイヤー:合田圭四郎