少し時計の知識がないとわかりづらいですが、時計にはムーブメントに種類が多く存在します。その中でもGMTと24時間表示の違いについての豆知識を紹介します。
GMTという言葉のみではGreenwich Mean Time(グリニッジ標準時国)という意味でイギリスにあるグリニッジ天文台の時刻となります。
時計では、文字盤上で時刻を表示しているのがメイン時刻となり、それを軸とし第2時間を表示するのが一般的な機能です。
時針、分針、秒針に加え、24時間で文字盤を1周するGMT針がつているものが多いです。
例えば海外出張に行く場合は、渡航先でわざわざ時計の時刻に時計を合わせるのもひとつの方法ですが、GMT機能を使い第2時間帯を設定しおけば、現地時間と日本時間の両方を知ることができるのです。
以外に知らない方が多いことに驚きましたが、世界各国時間が異なっていて、これがいわゆる時差となります。時差は、1時間単位で異なっており国により表示時刻は異なりますが、どの国でも分と秒は同一となっています。
海外でもwifiスポットが増え、スマートフォンなどの端末で気軽に電話やインターネットができる現代では、GMT機能を使って日本時間を把握しておくと、うっかり夜中に電話をかけてしまうなどの行動を防ぐことができる便利な機能です。
一方24時間表示とは、その名の通り24時間かけて文字盤の針が1周する機能となっています。24時間で2周する通常の時計(12時間表示)に慣れている人が、いきなり24時間表示の時計を使うと少々戸惑ってしまいますが、文字盤の読み方に慣れると時刻の誤認が少なくなり、便利なので他の時計が使えなくなる、と言われてことがあります。
24時間表示の時計は時針(24時間針)、分針、秒針と3本の針で構成されています。
勘のいい方ならすでにお気づきかも知れませんが、実は上記の2点では違いはひとつしかありません。GMT機能がついている時計の時針を外すだけで、24時間表示の時計と同じ条件になるのです。
完成した時計の見た目は全然違う印象を受けますが、機械式ムーブメントの場合よく使われるのがETAのCal,2893-2というムーブメントで、グライシンのエアマン24時間表示モデルや、今では完売したフォルティスの24時間表示モデルなどに使われています。
GMTウォッチとしては、ハミルトンやブライトリングなど、スイス製機械式GMTウォッチには定番のムーブメントと言えます。
ムーブメントは同じものなのに、針が1本異なるだけで根本的な使い方が変わってくるところも、機械式時計ならではの楽しみ方と言えるでしょう。
バイヤー:合田圭四郎