用途に応えた便利な機能

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少し前、カシオが作った時計が中東で人気を呼んでいるというニュースを目にしました。どういった機能かというと、イスラム教の聖地であるメッカの方向を、ボタンを押すだけで表示する機能なのです。

イスラム教では1日に5回、メッカの方角に向かい祈りを捧げると言われています。
中東の国に行くと、メッカの方向を示したポスターがいたるところに設置されている、またはスピーカーでアナウンスされるらしいのですが、それはあくまで中東の地域であって、まだまだ対応していない国が多く、世界中を飛び回るイスラム教徒のビジネスマンや旅行者は、渡航先で時刻と方角を調べる必要があります。

カシオは、90年代に方位を表示する機能のモデルを開発しており、その機能を応用し世界70都市でメッカを表示する時計を開発したと言われています。

方角だけではなく、季節によって異なるお祈りの時刻まで調べる機能が付いているとのことです。

現代の時計では、方位磁石だけに限らず様々な便利な機能が開発されていますが、今回のカシオの開発は方位機能を活用した新しい使い方の一つと言えるでしょう。

もともと時計の方位機能は存在するのですが、アナログで開発されたことにより、多くの年齢層、多国籍のユーザーに使いやすい機能になったと考えられます。

センサー関連の機能はいろんなブランドで年々精度も良くなってきています。ティソのタッチパネル機能もまさしくその一つで、故障でない限りはかなり正確に機能してくれます。方位機能の応用でメッカの表示をするように、既存の時計にある機能を応用して未だ世に出ていない便利な機能を見つけてみたいものです。

時計を販売する人間として、今後の時計の可能性が広がる記事だと実感しました。

一昔前はデータバンクなど、まるで小さいコンピュータかと思えるようなデザインが多く排出されていましたが、ここ近年ではアナログを活用する機能が開発されている気がします。オリスの開発したデプスゲージも同じで、すでにダイビングコンピュータで計測できていた水深計をアナログで表示するなど、最新の技術とアナログの良さが融合していると実感させられます。

個人的には、針や文字盤が温度で変色するアナログの温度計、なんか出てくれたら面白いんじゃないかと考えています。

現行ですでに開発されている技術はとても素晴らしいんですが、便利で多機能であればあるほど、どうしても操作がややこしくなります。使いこなすことさえできれば、現行のデジタルウォッチは本当に多機能です。しかし、それを使いこなせている人をあまり見ることはありません。もちろん、メーカーの方は別ですが。

操作が複雑という事は、それだけ間違う可能性があるということなのです。

複雑な機能になればなるほど、使用方法は単純なものの方がユーザーには使いやすいと言えます。通常クロノグラフはストップウォッチであるため、スタートボタンとリセットボタンがあるのですが、ボタンが一つしかないワンプッシュクロノグラフを使ってみると、思っている以上に使いやすいことに気づきます。

今後さらに、アナログで便利な機能が開発されそうな気がします。

バイヤー:合田圭四郎

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