現代の時計は実用品というよりも、宝飾品として購入されることが多いのですが、よく使われていない(あまり理解されていない)機能の一つとして、GMT機能があります。
GMTとは、世界標準時(Greenwich Mean Time)の略称で1日を24分割して表示する、グリニッジ天文台の時刻を標準とする事から由来しています。
GMT針がついている時計は、通常1分で1周する秒針、1時間で1周する分針、12時間で1周する時針と、24時間で1周するGMT針が文字盤に配置されています。
時針と誤認してしまう可能性があるので、通常はGMT針のみ真っ赤なカラーであったり全然違う形状を指定たりします。
最もポピュラーな使い方としては、GMT針の24時間で1周するという特徴を利用し、午前と午後の表示に使われたりしています。
その他、海外旅行や出張が多い人など、毎度時計の時刻を設定しなければいけなくなるので、出発前から渡航先の時刻をGMT機能を使い表示しておく事が可能となります。
人前で話すと意外に驚かれるのが、分と秒は世界各国どの国でも同一ということを知らない人が多いのです。なので、時針部分のみが表示できれば現地時間を簡単に知ることができるのです。
よく使われるGMT機能の使い方が上記なのですが、これを説明すると返される言葉が「そんなに海外行かない」なのです。
確かに、海外に行かないのであれば、家族や親しい人間が滞在していない限り海外の時刻を知る必要はありません。
しかし、GMT機能にはもっと身近で便利な使い方があるのです。
毎日同じリズムで生活する人にはあまり関係ないと思いますが、夜勤があるなど変則的な生活リズムの方に、GMTは使えます。
不規則といっても、1日は24時間です。起床から朝食までの時刻、就寝時間など大幅に毎日変わる人はそういません。
まず最初に、1日の生活リズムを把握することから始めます。
(例)いつもは朝7時に起床。就寝は23時あたり。昼食は12時あたりで、晩ご飯は20時とします。
しかし早出になってしまい、いつもより2時間早い5時には起床しなければなりません。
いつもは就寝している時刻に起きることで、体内の時刻は狂ってしまいます。
起床した後、いつもと同じ時刻の生活をしていると体内は軽い時差ボケ状態に陥ってしまい、体がしんどくなってしまいます。
健康管理の面から見ても、毎日リズムが変わる人はあまり体によくなく、体調を崩す原因となってしまいます。
であれば生活のタイムスケジュールを崩さないことで、いつもと同じリズムをキープしながら時間を変えることができます。
上記の例ではいつもより2時間早いリズムに変えなければならないので、GMT機能を使い、例えば23時であれば深夜1時にGMT針を設定しておきます。
こうすることにより、いつもより早い5時に起床しても、GMT針は7時位置を指しています。
昼食は12時なので、10時に食べるといつもと同じタイムスケジュールでは12時に食べていることになります。
夕食を18時に摂る事で、いつもと同じ時間のバランスで食事を摂っていることになり、体内の間隔はは狂っていない事になります。
GMT機能は、単なる第2時間帯の表示だけではなく、いつものリズムをキープするためのチェックもできる、素晴らしい機能も備えているのです。
バイヤー:合田圭四郎
旅行会社で添乗員をしておりますが 添乗に出るときは国内、海外を問わず必ずGMT針の時計を使っています。交通機関のタイムボードを確認するのはもちろんのこと
意外と知られていないのは、方位コンパスのかわりに使えることです。
GMT針を太陽に向けると (因みに私はペンを立てて影と並行になるように針を向けます)24時表示が北になります。女性のお役様が乗り物の座席をお決めになる際に役に立ちます。 日本でもGMTが普及して いろんなおしゃれな腕時計が選べるようになるといいのですが
コメントありがとうございます。
GMTは単に違う場所の時刻を表示するだけでなく、方向を知ることででお客様の配置の誘導など幅広い活用方法がありますね。参考になるご意見ありがとうございます。