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時計の視認性に欠かせない、蓄光の種類と歴史について学ぶ。

投稿日:2021年5月25日
更新日:

いつも正美堂時計店(ショウビドウ)をご覧いただき 誠にありがとうございます。
https://www.youtube.com/user/syohbido0512

ウォッチバイヤー 専務こと合田圭四郎です。
Thank you for watching.

今週の時計に関する日曜日勉強会は

時計の視認性に欠かせない、蓄光の種類と歴史について学ぶ。

今回の動画は、夜光塗料時計には蓄光やら夜光やらいろんなものが使われているわけなんですけれども、こちらの歴史と種類についてお話ししていきたいと思います。

時計の視認性に欠かせない、蓄光の種類と歴史について学ぶ。 – YouTube

0:00  ご挨拶0:30  今回の日曜日勉強会のお題0:55  歴史をさかのぼるにあたって忘れてはいけないのがラジウム。01:33  ラジウムとは。04:13  ラジウム使用不可の後はトリチウム。05:18  スイス mb-microtec社のトリチウムガスライトチューブ。06:54  トリチウム→…

「ルミノバ」とか「トリチウム」とか色々あるんですけれども、ここには進化の過程がありまして、しかも今から3月ぐらいまでは夜が長く昼が短いという期間になりますので、思っているよりもこの蓄光塗料が役立つ時期に入るんじゃないでしょうか。

暗闇でも時計が見える!文字盤の歴史

歴史をさかのぼるに当たってまず忘れてはいけない存在なのが「ラジウム」なんですね。
ラジウムというのは1900年代初頭に開発された素材で、当時は街灯も現在ほどなくまた新月とか曇り、そういう天気が悪い時はやはり月明かりも出ていないので文字盤を見るのは容易ではなかったと言われているんですけれども、そんな時に登場したのがこのラジウムなんです。

ラジウムとは何かと言いますと、知っている方は分かるかと思いますけれども、放射性物質を含んだ素材で、こちらと蛍光物質を組み合わせると光を自己発光し、暗いところでも文字盤を明るくしてくれて、時刻を簡単に確認することができたと言われています。

ちなみにこの時は軍事用途でこの開発をされまして、暗い所とか暗いミッションでも時間が確認できるようになったのがかなり画期的といわれた素材なんです。

このラジウム、実は耐用年数がものすごく長く、ウン百年と言われています。
先に時計の方がダメになるほど強い素材だったんですね、しかしながら、今残っているラジウムの時計なんかを見ても暗いわけです。

あまり光を溜めないので、あれ全然違うじゃないかと思われそうなんですが、これは一緒に使っている蛍光物質の方は劣化してしまって光がなくなっているという状態なんですね。

このラジウムと蛍光物質を合わせて光を自己発光させ、文字盤を見やすくしてくれるわけなんですけれども、ただラジウムというのはとても、とてもとても体に良くない物質、つまり放射性物質なんですけれどもやっぱり危険性を多く伴ったわけです。

工場で時計の文字盤なんかを組み立てる前にその工場で文字盤を塗っている人たちが、当時は筆でラジウムの液を塗っていたわけなんですけれども、この時に塗る際に筆を整えるために穂先を舌で舐め、整えてから塗っていたと言われているんですが、そのために体内にこのラジウムも取り込んでしまって歯やあごに被爆してしまい、かなりの健康被害が出たと社会問題になったほどと言われてますので、相当なことだったんだと思います。

もちろん癌になるわけですから、当時は今ほど治せる病気ではなかったと思いますので、より健康被害では懸念されたんじゃないかなと思いますが、そのため使用されないということになりました。

次に、ラジウムがダメだった場合どうするかというと次の素材がまた誕生しまして、トリチウムとなるわけです。

トリチウムは現在でも使われている素材なんですけれども、当時は今と違って文字盤にラジウムと同じように塗り込むタイプだったんですね。
なので、同じように組み立てられていたわけなんですがラジウムよりはちょっと健康被害が少ないと、少しエネルギーが弱いんですね。

まだラジウムよりも良いとされていたわけなんですけれども、ちなみこのトリチウムは半減期、どんどん衰退していくのがだいたい12年とか言われてまして
これはトリチウムだけで発光するわけではなく、トリチウムと蛍光物質を組み合わせることによって自己発光したと言われているんですね。
このトリチウムは割と重宝されまして、1960年代ぐらいはこれが全盛と言えるんじゃないでしょうか。

ちなみに今残っているトリチウムというのはですね、スイスのmb-microtec社が開発した「トリチウムガスライトチューブ」、トリガライトとも呼ばれるんですけれども、トリチウムを含む物質をガラスのカプセルに含んでそれを文字盤と針に配置するというのが現在のトリチウムの主流になっているわけです。
これがですね昼夜を問わず光を自己発光しているのでかなり明るい素材と言われていますし、光を溜める必要はないというのはすごく画期的です。

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0:00  ご挨拶0:30  今回の日曜日勉強会のお題0:55  歴史をさかのぼるにあたって忘れてはいけないのがラジウム。01:33  ラジウムとは。04:13  ラジウム使用不可の後はトリチウム。05:18  スイス mb-microtec社のトリチウムガスライトチューブ。06:54  トリチウム→…

今だからこそ注目される素材なんですが、少しでも健康被害を伴うこのトリチウムは基準を設けられてまして、文字盤に人体に影響がないという基準である「T25」という表記を文字盤にすることを強いられていました。

実際に今のトリガーライトを使っている時計でもこのT25表記が義務となっています。
これをしていないと、きちんと試験を通っていないものとなるので、輸入や販売をしてはいけないと言われる素材なんですね。

この放射性物質を含んでいるラジウム・トリチウムなんですけれども、蛍光物質と合わせて両方使うわけなんですが、両方、単体では光らないんですね。
あくまでも蛍光性物質を発光させるための燃料として使われていたのがこのラジウムとトリチウムなわけです。

ここで、1993年日本の根本特殊化学株式会社が開発した「N夜光」、ルミノバと言われるものが開発されたんですね。
ここから世界中のブランドはこのN夜光を使うわけです。

「ルミノバ」とも言いますけれども、このなぜルミノバが使われたかというと、なにより優れているのは放射性物質を一切含んでいないことなんです。
やっぱり人体に影響がないというのでかなり安全性が高く、先ほどまであったように「T25」のような表記をする必要もないと言われて、それほど画期的な素材だったのはこのルミノバだったんですね。

今では世界中でも多分7~8割ぐらいのブランド自体がこのルミノバを当たり前に使っているんじゃないかなと思えるほど多く見かけます。

それがどれぐらい明るいかっていうのを今からお見せしていきたいと思います。

各塗料の明るさを比較

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こちらは正美堂店内にあるトリチウムコーナー。
ちょっと一部暗いので分かりやすいんですけども、こちらにブラックライトを配置してトリチウムの蓄光がよりわかりやすい環境にしています。

ラジウム

まず最初にお見せするのはこちらのラジウム。
こういう風にすると分かりやすいんですけれども、十分発光してますが、これは光を吸収していたのでこれから明るいところに持っていくとしばらくは続くんですけれども、やっぱり弱ってきます。
しかしながら、ラジウムもこれほど光るわけです。

ちなみにこの時計はセイコーの飛行時計と言いまして、太平洋戦争時によく作られていた時計となります。
もちろん一般販売は当時されていなかったモデルなので、この「時」という漢字がまあわかりやすいんですけれども、光がすごいあります。
この当時自己発光していたと思うのですけれども、なかなか今でもちゃんと光るんですね。

ルミノバ

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こちらはルミノバですね。
ちょっとわかりづらいんですけど、光を十分吸収してますよね。
ちょっと青と緑に見えるんですけれども、実際暗い所へ持っていくと両方緑に光ります。
ブラックライトを当ててるせいか青になります。

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もう一種類のトリチウムなんですけれども、すみません、ちょっと当時のトリチウムを持っていなかったので現行のトリガライトを使ったモデルとなります。

光を自己発光するといわれるトリガライト、
今では少しカラーバリエーションも増えてですね、青やら緑やら、まあ緑が一番綺麗なんですけれども、赤なんかも存在したりします。
ガラスの中にトリチウムを含む物質が入っておりこのように光ってくれるわけです。

ちなみに、このトリガライトになってから使用期限はだいたい20年と言われています。

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ちなみにですね、店内においているこのサンプルなんですけれども、こちらは何年使ったかというのを明記しています。
一気に半減するということはまずなく、これぐらい真っ暗闇で見ると明るく照らしてくれるのはトリチウムの特徴ですね。

このように3種類比べましたけれども、かなり光としては強いです。

最後に

いかがでしたか。
やっぱりですね、気にせず使うとしたらこのルミノバですね。
明るさはいいんですけれども、気を遣わず、キャンプとかそういったところへ行っても夜中でも気にせず見えるというのはやっぱりトリチウムガスライトチューブ、トリガライトの良さじゃないでしょうか。

ちなみにですね、やっぱりラジウムやトリチウムというのは放射性物質をわずかながら含んでいるため、生産もそうなんですけれども廃棄にもやっぱりちょっと基準と言いますか、
いきなりゴミ箱に捨てる人はいないと思うんですけれども、廃棄にも気を付けなければなりません。
厳しい基準があるので、それは環境保護のためにも絶対にやってはいけません。

しかしながらですね、このルミノバは一切放射性物質を含んでないので、かなり画期的な素材と言えます。
だからですかね、世界中のいろんなブランドに使われているのがルミノバというところなんですけれども、ルミノバはかなり多くのところに使われているので
まあデザインも自由性が高いですね、そういったところから使用頻度も高く色んなところで使われているんじゃないかなと思います。

これから冬が長くなるなか、ちょっとでも参考になればと思います。



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